【夢が叶う9つの定理 第4回】「絶対成功する企画」の作り方。

【夢が叶う9つの定理 第4回】「絶対成功する企画」の作り方。



登場人物

渕上賢太郎(ふちがみ・けんたろう)博士
夢を叶えるアカデミー主宰。数学、生命科学、行動経済学の博士号を持つ。その知識を応用し、ヒト・モノ・コトを思い通りにする定理を発見した。「成功」を目指す山田君に、実践的なアドバイスをする。

山田君
博士の教えにより、彼女いない歴=年齢だったモテない人生に終止符を打った32歳。会社の合併により、そりの合わない上司がやってきたが、博士のアドバイスでその上司にホモフィリーを実行中(ホモフィリーとは?9つの定理第3回を参照

※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。また、目標達成のための記事ですが、恋に悩む女性にも役立つ内容だと考え、このたび恋愛ユニバーシティにも載せる事にしました。


神奈川県某所にある謎に包まれた研究所の一室。そこには「夢を叶えるアカデミー」の看板がひっそりと掲げられている。ここでは「成功」に関するあらゆる研究が行われており、夢を叶えたい起業家や、思い通りに動かず邪魔ばかりする部下に困り果てた経営トップたちが、こぞって扉を叩く……。
「出世してお給料をいっぱいもらって人の羨む生活をする!」そう決意した山田君。現在、そりの合わない上司の言うことを聞きながら、彼の思う通りの方法で成果を上げる道を模索中。

山田君 助けてくださぁ〜〜い!! 助けてくださぁ〜〜い!!!!

博士 どうした山田君。必死すぎて懐かしの「世界の中心で愛を叫ぶ」みたいになってるぞ。

山田君 そうです!あんな大ヒットを狙いたいんです!ヤマチューブームを作りたいんです!!!

博士 落ち着け、山田君。

山田君 はっ、煮詰まってトランス状態に陥っていました。クリエイティヴな仕事って精神力を使いますね。

博士 言い直せ。

山田君 え? 何をですか?

博士 クリエイティヴではなくクリエイティブに言い直すんだ。

山田君 すみません。クリエイティブでした。

博士 あのクリエィティブなブランド、マッキントッシュ標準装備のワープロソフト「ことえり」で変換しても「くりえいてぃゔ」では変換できないんだぞ! マッキントッシュと言えば、最近ニュースに出ていたスティーブ•ジョブズの激やせ写真は気になるところだ(※この記事は2011年に書かれたものです。ご冥福をお祈りします)。おっと、もちろん僕はマイクロソフト派だが(当時はMSNのサイトでこの記事を書いていた)。

山田君 あの、本題に入って良いですか?

博士 よかろう。

山田君 実は、この間教えてもらった「思い通りになる作戦」を実行していたら、上司の覚えが少しはめでたくなったみたいで、今度、まとまった予算のついた企画を任されそうなんですよ!

博士 ほほう、それは良かったな。まとまった予算っていくらなんだ?

山田君 600万円です!まあ博士にしたら大した額じゃないでしょうが、僕にとっては今までで一番デカい仕事なんです。
でも、当たり前ですけど「絶対に成功する新サービスを企画しろ」って言われてまして、ちょっとプレッシャーが……。

博士 山田君に600万円の企画を任せるとは‥‥。前回の助言が上司に効きすぎたかもしれん。大変困った。

山田君 何が困ったのですか?

博士 うむ。山田君は上司に、その企画で確実に利益をもたらさないとならなくなったからだ。そうしなければ、上司との関係は急激に悪化する。

山田君 どうしましょう!!!
セカチューみたいに。これはすごいって企画にドーンと600万つぎ込んで、大成功させたる方法を今すぐ教えてください!

【夢が叶う9つの定理 第4回】「絶対成功する企画」の作り方。

博士 君は何もわかっていない。

山田君 え?

博士 この世界に絶対に当たる企画など存在しない。それどころかほとんどの企画は外れるのだよ。たかだか600万円で確実に当てるなんて、あり得ない。

君は、あっという間に600万を使い果たして、上司から「無能」の烙印を押されるだろう。

山田君 ええっ、そんな縁起でもないこと言わないでくださいよ~。僕は本気なんですよ!マーケティング資料を分析しまくって、発想法の本も読んで頑張ってるんですから。絶対に大成功する企画を考えてみせます!

博士 マーケティング資料や発想術の本をいくら読んでも、「絶対に当たる企画」なんてわかるわけがない。それでうまくいくなら、たいていの企画は成功してるよ。
消費者や顧客の心に確実にヒットするものなんて、本当のところ誰にもわからない。ヒットすれば後付けで様々な分析がされるが、まったく同じものが同じ時期に失敗してることだってある。うまくいくかどうかなんて偶然なんだよ。

どんな大企業も、名プランナーと言われる人も、失敗と成功を繰り返している。ヒットメーカーと言われる秋元康さんだって、おニャン子、AKB48と成功させているが、その陰でたくさんの失敗をしている。例えば、ニュースステーションを降りた久米宏をメインに鳴物入りでスタートした「テレビってヤツは!?」という番組をおぼえているかい?

山田君 あー、ありましたね。結構注目されてたのにすぐ終わった気が……。

博士 あれは秋元さん監修の企画だ。話題にはなったが視聴率がついてこずにすぐ終わった。久米宏という知名度、実力ともに十分な大物と稀代のヒットメーカーが組んでも、失敗するときは失敗する。「絶対に成功する企画」なんてありえないんだよ。
どんなに「この企画は行ける!」と思っても、それ一本に賭けるなんて愚かなことだ。

山田君 なるほど~。じゃあ、どうすればいいんですか。僕、この企画は本当に失敗できないんですよ。ここで成功すれば、上司との関係もさらに良くなりますし。

博士 一番いいのは、できるだけ多くの企画を立てて実行してみることだ。
例えば、600万の予算なら、200万ずつに分けた3つの企画をスタートさせてみる。そして、その3つの企画に対し、第一フェイズを設定する。第一フェイズは、ある程度その企画が流行るかどうかの感触がわかるところに設定する。だから予算の配分は、400万、100万、100万になるかもしれない。
これだけで、成功する確率は3倍になる。ある程度成功が見えた企画には、予算を大きくかけて第二フェイズに入る。これを繰り返しながらヒットを目指す、これが「絶対に成功する企画」の考え方だよ、山田君。

山田君 ほえ~。その考え方はありませんでした。

博士 山田君のように何も考えていない企業は多い。特にベンチャーに多く、僕は何社も見て来たよ。たった一つの ”絶対に当たる企画” に毎年数億円のお金を使い、数年で破綻していく企業。企業の資金繰りが悪化した時から、すぐお金になりそうな新事業に色々手を出すのだが、手遅れだ。最初からリスクヘッジとしてそうすべきだったんだ。さもなくば、悪あがきは止め潔く散るべきだ。

山田君 でも博士、僕らのチームは人が少なくて、とても複数の企画を同時進行なんてできないですよ。じゃあ、もう「絶対成功する企画」なんて無理ですねぇ。やっぱできませんって上司に言うか。

博士 そういうことなら、他に方法がないこともない。

山田君 教えてくださぁ〜〜い!!!

博士 うむ。一つの企画しか進められないなら、基本的には無難な企画を立てることだ。
私が相談に乗っている会社の一つにIT系の比較的新しいコンテンツ制作会社があるが、そこは世間に注目されるような大ホームランは少ないものの、ヒットを重ね着実に成功している。
その会社がどういうやり方をしているかというと、無難なコンテンツと斬新なコンテンツを一つのサービスの中に混ぜるんだ。

山田君 無難なコンテンツ?

博士 どの業界でも「これは間違いなく売れる」というものがあるだろう。安全パイというやつだな。たとえば今世の中で当たっているサービスの真似るというのが簡単だろう。でも大ヒットはしない。既に多くの同業他社が同じことをしているからだ。
だから、無難なコンテンツの中にちょっとだけ斬新なものを混ぜる。そして反応を見る。ここからは、さっき言った複数企画の同時進行と同じだ。しばらく様子を見て、その斬新なコンテンツの反応が悪ければ、また何か目新しさを持った他のコンテンツに変える。そして反応を見る。
無難なコンテンツでせめてコスト分くらいは回収しながら、斬新なコンテンツを試し続けるんだ。そうすれば、いつかはヒットが出る。これなら一つの企画しかできなくても大丈夫だ。

山田君 それなら僕の会社でもできそうです。めざせ!大ヒット!!無難な企画と斬新な企画の合わせ技で頑張ります!

博士 ちなみに今、君はどんな企画を考えてるんだ?

山田君 そうですね~、斬新なものとしてはやっぱり僕の愛するけん玉ですよね。けん玉の技に詳しくなるアプリ。これだけだとちょっと斬新すぎるから、大人気の恋愛ゲーム、ラブプラスの要素を取り入れて、3人の女子と仲良くなりながらけん玉を極めていくアプリとかどうでしょう?技を決めるとキスできるとか。これでホントにヤマチューブームができますよ!

博士 「けん玉の技に詳しくなる」の部分が強すぎて、企画から無難さが消えている気が…。

山田君 ダメですかね?

博士 ダメだろうな。

今回の定理

「絶対に成功する企画」を生み出したいなら、複数のアイデアを長期的に試せる仕組みを作れ

(次回予告)
次回はトンデモ企画を連発する山田君に博士が「売れるコンテンツ」の基本を教えます。

ぐっどうぃる博士

ぐっどうぃる博士 (恋愛カウンセラー)

理学博士(生命科学専攻)。現在は主に恋愛カウンセラーとして活躍。自身の体験と生命科学的視点を合わせた独自の恋愛メソッドを展開し人気を集めている。悩める女性の恋の問題が解決するサイト『恋愛ユニバーシティ』主宰。
現在、WEB、書籍、雑誌等など多方面で活躍中。また大手企業のマーケティングリサーチや企業のブランディング戦略にも参画。
近著に『振り向いてくれない彼に1ミリも迫らないで恋に落とす本』がある。
他にも『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)などがある。
ぐっどうぃる博士の経歴はこちら

ぐっどうぃる博士と直接電話相談したい方はコチラ:
https://u-rennai.jp/consult/adviser/2

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