恋愛心理学者が警鐘を鳴らす実は深刻な“恋愛依存症”の正体とは?

みなさんは「恋愛依存症」と聞いてどんなイメージを持ちますか? 「恋愛」という甘美な言葉が頭についているがゆえ、“恋多き女”を連想するなど、どこかロマンティックで魅力的な印象を持っている方も多いのではないでしょうか。しかしながら実際には非常に深刻な病気であると、恋愛心理学の第一人者であり多くの女性にアドバイスしてきた伊東明氏は言います。そんな伊東氏の著書『恋愛依存症~苦しい恋から抜け出せない人たち~』(実業之日本社)をひも解くことで、「恋愛依存症」の実態、そしてその解決方法を探っていくことにしましょう。

伊東氏は「恋愛依存症」を、「共依存」「回避依存」「ロマンス依存」「セックス依存」の4つのケースに分類していますが、今回は恋愛に悩む女性が特に陥りがちな「共依存」と「回避依存」にスポットを当てていきたいと思います。

■共依存症とは

恋愛依存症のひとつに、「共依存症」があります。そのような人たちがどういった恋愛をするのかというと、ダメな男に金銭面含めひたすら尽くしたり、DVされても耐え抜いたりといった、いわゆるダメンズ的な恋愛傾向のある人たちを指します。
共依存症者は①「必要とされる」ことを必要とする、②「救済者」になりたがる、③相手を放っておけない、④常に自分を後回しにする、⑤現実を見つめることができない、という5つの心理的特徴があります。
共依存症の原因の多くは、幼少期の親子関係にあるのだとか。“毒親”に育てられた子が、大人になってから恋人を親代わりとし、幼少期に失われていた愛情をなんとか取り戻そうとするがゆえ、相手にしがみついたり、カンペキでない人に惹かれてしまうのです。

■回避依存症とは

“共依存症”のパートナーとなる人物のことで、4つのタイプが存在します。
①独裁者タイプ/身体的、もしくは精神的暴力によって常に相手を支配したがる。
②搾取者タイプ/罪悪感に訴えて相手を利用する。
③ナルシシストタイプ/自分の理想を相手に押し付ける。
④脱走者タイプ/愛が深まるほどに別れたくなる。
この4つのタイプに共通するのは、恋人との親密な関係を避けることにあります。
パートナーにこのような特徴がある場合には、あなた自身が共依存症である可能性が考えられ、恋愛依存症からの回復への道を探る必要があることを自覚することが大切です。

■恋愛依存症から抜け出すには

ではいったい、このような恋愛依存症から抜け出すにはどのような方法が考えられるのでしょうか。回復には10のステップがありますが、ここではまず6つのステップを紹介していきましょう。

STEP1/認めること
恋愛依存症者は、自分にも責任があることを巧みに回避する傾向があります。まずは自分の本当の状況や自分の責任を知り、認めることから始めましょう。
STEP2/助けを求めること
アルコール依存症者が自分ひとりの意志だけで完全に回復するのが難しいように、恋愛依存症者も他からの助けが必要です。まずは知識を得るべく、本を読んだりネット検索するなども回復のとっかかりとしては有効。次に信頼できる友人に話を聞いてもらうことで、孤立や孤独感から抜け出すことができ、次のステップに進めるようになります。またできれば、専門家の援助を受けたり、自助グループに参加してみましょう。
STEP3/いつものパターンに気づくこと
恋愛依存症者の恋愛には、お決まりのパターンというものがあります。その無意識の行動パターンを把握し、それにより自分がどうなっていたかを分析し、悪い行動パターンであったことを自覚することが大切です。
STEP4/引力に気づくこと
悪いパターンに気づけたとしても、なぜそこから抜け出せないのかといえば、そこに惹きつけられる引力が存在するから。その正体(ストレス、過去の傷、不安、親への憎しみ……)を知り、自分が本当に求めているものを知ることで、自身をコントロールすることができるようになります。
STEP5/自分を愛すること
本当の意味で自分自身を愛することができるのなら、恋愛依存症になることは絶対にないと断言できると言います。自分を愛することが難しいのですが、恋愛やセックスにばかり、エネルギーを注ぐのではなく、自分をフォーカスすることや、自己否定感をなくすことで、自分を愛するチャレンジをすべきです。
STEP6/過去に向き合うこと
過去のトラウマを紙に書いて視覚化することで、過去が自分にどのような影響を与えたのか自覚していきましょう。過去の出来事が現在にどのような影響を与えているのかを理解することで、過去の悪影響を断ち切る助けとなるはずです。

この後、「過去を癒やすこと」「手をはなすこと」「リバウンドに負けないこと」「勇気を持って第一歩を踏み出すこと」というSTEP7~10が続きます。
以上、いかがでしたか? 恋愛依存症という病に対するイメージも変わったのではないでしょうか?
今回ご紹介できなかった“ロマンス依存”や“セックス依存”の分析を始め、“恋愛依存症”については『恋愛依存症~苦しい恋から抜け出せない人たち~』(伊東明・著/実業之日本社)でぜひ確認してみてください。心理学者ならではの具体的なカウンセリングケースやあなた自身やパートナーが恋愛依存症かどうかを確認できるチェックリスト、また各依存症の起因等を明解に解説してくれています。なぜいつも苦しい恋ばかり選んでしまうかと悩むあなたはもちろん、私は大丈夫だと思っているあなたこそ、その危険性を知ってほしい“病”、それが恋愛依存症なのです。


(文=吉田奈美/ 恋愛ユニバーシティ)

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吉田奈美 / 恋愛ユニバーシティ

吉田奈美 / 恋愛ユニバーシティ (フリーランスライター)

フリーランスライター。女性誌を中心に、タレントインタビュー、恋愛企画、読み物企画、旅企画、料理企画などを担当。また書籍の企画・構成も行っている。B級裁判や恋愛にまつわる裁判傍聴ライターとしても活動しており、『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)を出版。フジテレビ『ホンマでっか!? TV』、テレビ東京『暴露ナイト』、関西テレビ『今週のスポットライト』、BSスカパー『ダラケ!』等、テレビ出演も。

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