駆け引きの仕方 vol.3

更新日 2019-06-20 17:33  公開日 2015-02-13 19:31

恋愛における駆け引きの方法 続き

(これから述べる内容は、「男が本当に考えている事を知る方法」を一読してから読み進めてもらうと、より深く理解出来るかも知れない)

正確に知る事は、とても重要であると僕は考えている。
そして、同時にとても難しい。

正直に言えば、「正確」に相手を知る、「正確」に自分を知るという事は不可能と言って良い。

『相手を知る事の難しさ』

あなたが誰かを見ている時、あなたは(無意識に)自分の利害関係を通してその人を見る。
「恋人」「彼氏」「上司」「親」「子」「友達」「同僚」
このような言葉が示すとおり、あなたは対象を、ある役割として見ている。

実はあなたは相手のごく一部しか必要としていない、興味がないのだ。

これは恋愛プロトコルなので、恋愛について語る。
「恋人」「彼」「好きな人」を見る時、あなたはその人を性の対象として見る。
自分の思い通りにしようとして見る。
「こうなって欲しい」という欲を通して、その人を見ているのである。

復縁したいとか、自分を好きになって欲しいとか、
生活力があるかどうかとか、自分を傷つける存在だとか
男性として魅力的かどうかとか、浮気癖があるかとか、ギャンブルが好きかどうか
お金にだらしないとか
相手を自分との関係において見ている。
従って、相手のある側面だけしか見る事が出来ない。
にも関わらず、それに気がついていない。
だから相手を正確にシミュレーション出来ない。

小説でも映画でも、パターンとして「相手の別の側面を見る事で突然相手を深く知る」というものが多い。
母親が死んだ後、知人から話で母親の「女としての側面」を知るとか、
職場の同僚に男性としての一面を知るとか。
何故そういうストーリーが愛されるかというと、人はその様に1つの側面しか見ていない。
そしてその事に気づいていないからだと僕は考えている。

彼はある時は、仕事に追われ恋人を忘れてしまう。
彼はある時は、自分の家族の問題しか考えられなくなる。
そういった問題に直面した時、彼は他の事を忘れてしまうかも知れない。
ほとんどの人は大きな問題に直面すると、他の事はほとんど考えられなくなる。

また、彼は自分の将来をあなたと過ごす事だけでなく、全ての側面から考えるだろう。

人をそのまま理解する事の難しさを知っていれば、新たな視点を持つ事が出来ると僕は考えている。
あなたは自分の利害関係を通さずに、色々な側面から相手を見る事を出来るだろうか?
その視点を持ち、相手を立体的に理解出来れば、あなたは相手の心を動かすツールを磨いた事になるだろう。

そしてもう一つ知っておくべき事は、相手もあなたを利害関係の対象としてのみ見ている。
(だから人は自分のプライベートな部分に興味を持ってくれる人、自分に共感を持ってくれる人に興味を持つのかも知れない)

『自分を知る事は更に難しい』

相手を通しての自分だけでなく、自分そのものを知る事はとても重要だが、それを知るのは不可能と言って良いと思う。

上記の項、「相手を知る事の難しさ」で述べたが、他人のあなたに対する評価はその人の利害関係においてのみ成り立っていると言える。

●ほとんど全ての人はあなたに対してだけ本音を言わない

例えば、あなたのコンプレックスに多くの人は触れないだろう。
あなたがもの凄く気にしているコンプレックスは、他人にとってどうでも良い事だ。
ドライにあなたのコンプレックスを見抜き、レッテルを貼り、あとはそれを考えないだろう。
そしてほとんどの人は、そのコンプレックスであなたが傷つく事を知っているので、それに触れない。

また、あなたのつまらない自慢話を多くの人は聞いてくれるだろう。
やがて、彼らに距離をおかれるだけだ。

あなたの外見がある男性にとって魅力的なら、あるいは興味ある女性なら、その男性はあなたの話を真剣に聞いてくれるかもしれない。
例えばそれはあなたの話が面白いのではなく、あなたを喜ばせようと聞いているのだろう。
(だから見た目が魅力的な女性は人間として成長しにくい傾向があると僕は思っている)

今まで真剣に話を聞いてくれた男性が、まるで興味を示さなくなったのは、その男性が感じていたあなたの価値が失われたのかも知れない。
年齢を重ねてくればその様な事に薄々気づいてくるだろう。

●そして同時に相手はあなたをある役割を通してみている

ボスはあなたを部下としてみる。
親はあなたを子供としてみる。
恋人はあなたを恋人としてみる。
自分に関係する部分だけ見て、そのメリット・デメリットを無意識に計算しているのだ。

「お前は、直ぐに要求するな」
「お前の考えは幼稚で、もうついていけない」
と彼が言っても、それは彼の利害関係の中で述べていて
あなたを恋人としての役割として見ているのだ。

彼の言葉は、あなたに対する純粋な情報ではない。
純粋な情報は、誰からも決して手に入らない。

それを鵜呑みにして苦しんだり、自分を変えようとしたりするが、
人はあなたのために、あなたを評価しているのではない。
その人がその人自身のために述べているに過ぎない事を知るべきだろう。

●最後にほとんど全ての人は自分の価値観を通してあなたを見る

「自分の価値観を他人に認めさせたい」というのは、人間の根本的な欲求と関わっていると僕は考えている。
例えば誰かが
「お前は、服のセンスがないな」とか「お前はバカだな」と批判したのなら、その中に例えば
「服のセンスが大切である」「知的さこそ重要である」という価値観が含まれている可能性がある。
彼の価値観を通して、あなたを評価しているのだ。

何度か述べているが、人のあなたに対する評価というのは、あなたを知るために使うのではなく、
評価している人の価値観を知るのに、むしろ使うべきだろう。
その人の評価を聞いているうちに、その人がどんな人物かが見えてくる。

以上の事をまとめるなら
人は、あなたを傷つけない様に(時には敢えて傷つける様に)、そして(それぞれの立場で)あなたを思い通りに動かそうとし、自分の価値観を通してあなたに話しかけるのだ。

更に、あなた自身のもつ様々な因子
(あなたの生育歴、恋愛の傷、価値観、歪んだ知識など)
が自分の自己評価を歪ませる。自分を正確に知るのなんて絶望的だと感じるだろう。

このように自分の視点を歪めているものに気がつけば、あなたは前よりは的確に自分を評価出来るだろう。
そして自分を正確に知れば知るほど、駆け引きはおろか色々な事がうまく行き始める。

「知る事」とは、徹底的な客観視だと僕は考えている。

(知る事に関しては、自分で深める事を勧める。いずれ知る事だけに関してどこかで文章を書くかも知れない)

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