本当の彼がわからなくなりました。コメント No.11564
もう少し知りたいというコメントを拝見しましたので、再度出て参りました。ここからはかなりさみしい話をすることになります。
境界性パーソナリティ障害の病状により、周囲に与える影響についてです。まず、この病気は、シンプルに説明するならば、他者への極めて強い依存という特性を持ちます。
物理的な意味合いで考えてほしいのですが、よりかかられると、足を踏ん張っていなければなりません。ある程度、御自分でお調べになったように、この寄りかかり先は、大丈夫なのだろうかと、叩かれることにもなります。これが、本人が癒えるまで、繰り返し際限なく行われます。これは、果たして、寄り掛かられる側にとって、幸せな事でしょうか。人間はそんなにタフではないと私は思っています。
この病気を持っている人にとって依存対象とは、自分の属する小社会-例えば友人関係全体-ではなく、たいていは特定個人です。しかも、一方的に助けるばかりで、お互い様という状況にはなりえません。むっく様は、いろんな人とかかわる中で、時にある人から助けられ、時にある人から迷惑をかけられ、それでも貴女の所属する小社会の中で、助けあって生きている、という範囲を逸脱していないはずです。しかし、境界性パーソナリティ障害や、それに類する神経症を持つ人にとっては、その常識が通用しません。
支えたいと当初は願っていたはずの人の多くが、大抵の場合、その重圧に押し潰されていきます。そして治療という観点から見て、元の木阿弥やら、より悪化させる事態を招く事も多いのです。
ですから、突き放すような事をしてしまった、という御自覚が芽生えても、どうかそれを苦になさらないように御願いします。
そも、私の話した内容は、あくまで仮定での話です。
加えて、これがもし的を得た仮定であったとしても、とても繊細過ぎる話です。玄人ですら、とても神経質に几帳面に丁寧に、何ヶ月も、まずは信用を培うところからはじめ、数年がかりで取り組むことを、適切な助言もなかった人がやれるわけがないんです。
貴女は、大事なものを既に十分に与えています。
彼にとっての光明は、色々苦しい思いをさせられていても、見捨てずに、大事にしてくれようとする人がいることです。貴女もそうですし、YさんMさんだって、色々と言いたい事があるのをこらえて付き合っていると思われます。
ご両親は信用できないとおっしゃったそうですが、本当に信用できないと思われていたら、それすら言わなくなります。今は信用できないから、信用できるようになってくれという願いが、そういう言葉には込められているのではないでしょうか。
それは彼の中に、まだ彼に期待を出来る点や、好かれる良い点が残っているということです。気づくきっかけは、あるのです。
彼がもし精神病だったとしても、それは真っ暗闇ということではありません。御両親を含め、貴女方という明かりを頼りに、どん底からよじ登るきっかけはつかめるのです。ただ、その気になってくれない限りは、その明かりは見えません。その間は、誰の助けも意味を為さないのです。
一番最初に寂しい話をします、といったのはこの点です。近くにいた貴女が、心当たりがあると仰る以上、疑いはより濃厚です。大事に思えばこそ、支えてあげてはいけないという場面も、悔しいですがあるのです。精神病の多くは、数年かかっても、確実に治るとは言い切れないようなものが多いです。若い貴女にとって、その数年のストレスは、将来に大きく影響しかねません。
心中はお察ししますが、この言葉を贈ります。
生兵法は怪我の元。
彼に今必要なのは、自分から精神科のある病院に向かうだけの勇気です。精神的な問題があるのかないのか、そこを確認するところから、一歩ずつはじめるべきであると考えています。精神科と称される治療においては、しばしば患者が苦痛と感じるようなこともあります。それは自らの心の内にある傷を治療の中で赤裸々とされる、恥であり、暴かれることに対する理不尽な怒りであり、また形容しがたい何かです。この辛さに負け、自発的に決めて治療を受けた人でも、挫けることは珍しくありません。まして、他人から言われて治療を受けた人は、より治療を続けることは難しいのです。
仮に貴女が、カウンセリングを薦めたとしましょう。こうした誘導を、彼自身が許すかどうかは、誰にもわかりません。肉親に、精神科に行けと言われたことで、深く傷つく人もいます。
私にできる、最も正解に近いだろうと思えるアドバイスは、冒頭でお書きになっていた、こわかったという感想をどうか大事になさって頂きたい、という種類のものです。
申し訳ございません。
- [年齢非公開]
- イイヒト ランク圏外
※「本当の彼がわからなくなりました。」の全コメント
- 私には鬱の経験があります。外因性、中でも心因性の発病の仕方でした。当時の私の何が、病気の元とな…
イイヒト -- (No.11540) 2012-10-23 16:44 - コメントありがとうございます。
おしえてくださった、病気について調べました。
ボーダーと…
むっく(投稿者) -- (No.11549) 2012-10-23 22:25- むっく(投稿者)さん
もう少し知りたいというコメントを拝見しましたので、再度出て参りま...
イイヒト -- (No.11564) 2012-10-24 19:30- 再び回答ありがとうございます。
イイヒト様の回答を読みますと自分は間違えてなかったと思い本…
むっく(投稿者) -- (No.11566) 2012-10-24 20:42- >むっく(投稿者)さん
どういたしまして。
心の病については、割りとあやふやなも…
イイヒト -- (No.11570) 2012-10-24 22:37- 度々の質問失礼いたしました。
コメントありがとうございます。
1つの病気とい…
むっく(投稿者) -- (No.11577) 2012-10-25 08:37
- 度々の質問失礼いたしました。
コメントありがとうございます。
1つの病気とい…
- >むっく(投稿者)さん
どういたしまして。
心の病については、割りとあやふやなも…
- 再び回答ありがとうございます。
イイヒト様の回答を読みますと自分は間違えてなかったと思い本…
- むっく(投稿者)さん
もう少し知りたいというコメントを拝見しましたので、再度出て参りま...