【夢が叶う9つの定理 第7回】モチベーションを維持する、とっておきの方法。
●渕上賢太郎(ふちがみ・けんたろう)博士
夢を叶えるアカデミー主宰。数学、生命科学、行動経済学の博士号を持つ。その知識を応用し、ヒト・モノ・コトを思い通りにする定理を発見した。今回は「成功哲学本」のタブーを博士が斬る!?
●山田君
博士の教えにより、彼女いない歴=年齢だったモテない人生に終止符を打った32歳。仕事面でも無気力なSEだったが、一念発起し博士のアドバイスに従って成功を目指している。しかし、やる気満々だった山田君に問題が……。
※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。また、目標達成のための記事ですが、恋に悩む女性にも役立つ内容だと考え、このたび恋愛ユニバーシティにも載せる事にしました。
神奈川県某所にある謎に包まれた研究所の一室。そこには「夢を叶えるアカデミー」の看板がひっそりと掲げられている。ここでは「成功」に関するあらゆる研究が行われており、夢を叶えたい起業家や、思い通りに動かず邪魔ばかりする部下に困り果てた経営トップたちが、こぞって扉を叩く……。
「出世してお給料をいっぱいもらって人の羨む生活をする!」そう決意した山田君。前向きサラリーマンライフも板についてきたところで、ある問題が……。
山田君 博士……。どうしましょう……。
博士 どうした、山田君。今日はずいぶん暗いな。鈴木京香の熱愛報道がショックだったのか(※この記事は2011年に書かれたものです)?
山田君 いや、僕はそっち系じゃないんで。
博士 そっち系ってどっちだ。まあいい。何があったんだ?
山田君 いやー前回博士に教えていただいた、「ヒエラルキーの高い場所で考える」やり方で、プロジェクトの方はとりあえず進んでいるんですが……。
博士 じゃあ、どうしたんだ。
山田君 なんだか、モチベーションが下がっちゃって……。
もう全然やる気が出ないんですよ。
別に何があったってわけじゃないんですけど、仕事を頑張ることに飽きちゃったっていうか。こんなんじゃだめだってわかってるんですけど……。
朝、会社に行った瞬間は「よし、やるぞー!」って思ってても、市場調査してるふりしてツイッターで遊んでたり、けん玉の新技見てたり。会議に出ても、先週観た「モテキ」の長澤まさみを回想していたり。でも麻生久美子もかわいかったなあとか、仲里衣紗はやせたなあとか、真木よう子は怖いけど、実際あんな先輩いたら会社行くの楽しくなっちゃうよなあとか、モテキっていいなあ、あんなの天国だなあとか……
博士 もういい!後半は「モテキ」の感想じゃないかっ。
じゃあなんだ、君は何もせずそうやってグダグダしてるのか。
山田君 いえ、僕だってやる気をださなきゃと思って、成功哲学本とか自己啓発本とか読みまくったんですよ。
でも、勝間和代の「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強本」を読んでも全然続かないし、見城徹と藤田晋の「憂鬱でなければ仕事じゃない」を読んでもますます憂鬱になって仕事が嫌になるだけだし、長谷部誠の「心を整える。」を読んでも全然心が整わないんです!!
博士 君は何もわかってない。
山田君 え?
博士 成功哲学本の中に成功があることなど、まずないのだよ。
山田君 どういうことなんですか、それは!?
博士 成功者が書いた、あるいは成功者を分析して書かれた成功哲学本には、たいていの場合、ある重要な視点が抜けているんだ。それは「その人である」という視点だ。
「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法」が「無理なくつづけられる」のは勝間和代だからだ。
憂鬱をパワーに変えて大出版社まで作ってしまえるのは見城徹だからだし、心を整えるために自制の効いた生活ができるのはそれが長谷部誠だからだ。
成功哲学本を書くような成功者の多くは、元々、人にはない強い執着心をもっていたり、不安を感じ易くできていたり、あるいは成功に対してストイックに努力できる人が多い。
例えば、勝間和代からは成功に対するものすごい執着が感じられる。1分1秒無駄にせず勉強し、それをアウトプットし、より豊かで輝きに満ちた人生にしよう!という貪欲な意思があり、ずっと努力し続けることができる。
君にそれができるか?
山田君 うーん、途中で疲れちゃいそうですねえ。
博士 そうだろう。
長谷部誠が、もし心が乱れたまま試合に臨まなくてはいけなくなれば、とてつもない不安を感じるだろう。だから、自分を律し、生活リズムを整えてメンタルをコントロールする。
見城徹も四六時中仕事のことで頭を悩ませている。そうでなければ不安でたまらないからだ。
こういう一部の人たちは元々そういう性(さが)を持っている。
そして、彼らは自分たちが変わっていることを知らない。知らないから、その性は当然本には書かれていない。
それは、実際に彼らのような人と一緒に過ごせば分かる。しかも彼らが、自分が変わっている事に気づいていない事にも気づくだろう。何の努力もなく自然にやっているはずだ。
一方で、君は大事な会議中に先週観た映画のことを考えている。それでも大して不安にもならず、僕のところへのんびりやってきてグダグダ言っている。
彼らと同じことができるわけがない。
努力が続かない、不安が続かない。すぐに満足したり安心したりしてしまう。
こういう人は成功しにくいんだよ。
山田君 まるで僕のことを言われているようです……。
博士 君のことを言ってるんだ。
君のような人は、彼らとは根本から全く違う。コンプリートリーにディファレントだ。
だから、真似しても成功しない。
山田君 ってことは、僕は何をやっても続かなくて、成功しないんですか?
博士 そこだよ、山田君。
多くの成功哲学書は、それを読み実践する事で、「僕は何をやっても続かなくて、成功しない」とまで思わせてしまう。
成功をするための本を読んで、実践しても、続かないんだからな。
山田君 じゃあ、何か方法はあるんですか?
博士 もちろん、ある。
長期的にモチベーションを維持させる方法は、まあ2種類ある。
一つは報酬を与える、もしくは不安を与えることだ。これをやればお金がもらえる、もしくはこれをやらないとお金がもらえない、怒られる、そうということだな。
しかし、たいていの人は報酬には慣れてしまう。最初は一生懸命やっていても、だんだんモチベーションが下がってくる。これを防ぐためには、報酬を上げ続けるしかない。
また、不安からは人は逃げることができる。例えば、会社からあまりにプレッシャーをかけられると、もうお金がなくてもいいから辞めちゃおうとなる。
報酬と不安でモチベーションを長く維持するのは難しい。
山田君 なるほど。じゃあもう一つの方法は?
博士 モチベーションをずっと維持できるほど好きなことをすることだ。
単純なことのようだが、長続きさせるにはこれが一番なんだ。
これは、ダニエル・ピンクの名著『モチベーション3.0』という本に書いてあることなんだが、幼児を次の3つのグループに分けて絵を描かせるという実験を行った。
1 ただ好きに絵を描かせる
2 前もって「一番上手に描けた子供に表彰状をあげる」と言い、一番の子供にあげる。
3 絵を描いた後に、一番上手に描けた子供に表彰状をあげる。
2週間後、この中で最も絵を描く事にモチベーションを失っていたのは誰だと思う?
実は2だ。報酬をもらえる事で、絵を描くことが仕事になってしまったのだ。
絵を描くのは楽しい事なのに、それが仕事になり、続かなくなったのだ。
特にクリエイティブな仕事には、報酬や罰は向いていない。
詳しくは述べないが、「グラックスバーグ ロウソクの問題」で検索すれば、興味深い実験とそこから得られる知見があるはずだ。
人は、それが何であれ好きなことでないと続かない。そして高いモチベーションで続ける事が成功につながる。特にクリエイティブな仕事はそうだ。
これはマルコム・グラッドウェルの名著『天才! 成功する人々の法則』にも、説得力のあるデータと共に書かれている。
そして、勝間和代も、見城徹も、長谷部誠も、共通して言えるのは、自分が好きな事をしているということだ。
前回、君の企画『けん玉プラス』をやってみるのもいいかもしれないと言っただろう。それは、こういうことを言っているんだ。
山田君 確かに『けん玉プラス』なら僕はずっと夢中になってできそうです!
でも、ということは好きなことを仕事にできなければ、結局続かないってことなんですか?
博士 そうだ、そして、成功しない。
僕だって仕事から離れている時間も、「なぜあの人はモテているのか」「なぜあの商品は人気があるのか」「なぜこのビジネスはうまくいっているのか」そんなことばかり考える。放っておいても、思考がそっちへ行くんだ。こういうことを考えるのが好きなんだろうな。
だが僕は、もう一つの真実に気づいた。楽しくない仕事なんてないということだ。
どんな仕事にもその仕事なりのやりがいや面白さがあり、好きになろうと覚悟すれば必ず好きになれる。
約束しよう。今の仕事を好きになると覚悟した数ヶ月後から成功が見えてくる。
山田君 おおー、博士。深イイ話ですねえ。
僕も意識して、今の仕事が大好きになります。
ひとまず、いつも書類を突き返してくる経理の怖いおばちゃんを真木よう子だと思って、毎日来るヤクルトの顔のうすいおばちゃんを麻生久美子、いつも爪ばっかりいじってる生意気な新入社員を仲里衣紗、天然でイマイチ使えないバイトの子を長澤まさみだと思って頑張ります!
おお、僕、今の仕事が大好きになれそうです!!
博士 おーい、現実の世界に帰ってこーい。
今回の定理
モチベーションを保つには、好きなことを仕事にするか、仕事を好きになるのが一番
次回予告
博士流、スマートに成功にたどり着くための、問題解決法です。お楽しみに!
ぐっどうぃる博士 (恋愛カウンセラー)
理学博士(生命科学専攻)。現在は主に恋愛カウンセラーとして活躍。自身の体験と生命科学的視点を合わせた独自の恋愛メソッドを展開し人気を集めている。悩める女性の恋の問題が解決するサイト『恋愛ユニバーシティ』主宰。
現在、WEB、書籍、雑誌等など多方面で活躍中。また大手企業のマーケティングリサーチや企業のブランディング戦略にも参画。
近著に『振り向いてくれない彼に1ミリも迫らないで恋に落とす本』がある。
他にも『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)などがある。
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