恋愛で苦しくなったら…「愛されようとする」のをやめてみる!【恋愛必読本11】
彼が大事にしてくれないのはなぜ?
恋愛関連書籍を5000冊以上読み込んできた恋愛本マイスター 藤本フランソワーズ先生が、コレさえ読めばあなたの恋が思い通りになり、恋愛を誰より深く語れる、と厳選した「恋愛必読本シリーズ」。
第11回目は、二村ヒトシ著『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』(イースト・プレス)です。
この本をおすすめしたい人
私って恋愛依存症かも?と思っている、浮気性の男性に振り回されている…そんな方に特におすすめ
この本をひと言で言うと
ヤリチンが自らの罪悪感から解放されるために書いた、女性のための救済本
この本がおすすめの理由
この本の10ページを開きますと
この中に「あなた」か「あなたの友だち」はいますか?
「これ、私!」「これ、あのコ!」と思ったら、まずは「→」のページを読んでみてください。
とあります。
その内訳は「愛してくれない人ばかり好きになっちゃう」、「『レベルが高い男』が好き」、「私から好きになってつきあい始めるのに、彼が私を好きになったらもう興味がなくなってしまう」、「嫌われるのが怖くてワガママや本音を言えない」、「私って『都合のいい女?』」などなど……合計36個もの問いかけが並んでいます。
これは女の子の悩みをほぼ全部網羅しているといっても、過言ではありません。
ですが、この本の内容がそれほど多岐にわたっているのかというと、そうではありません。著者の二村ヒトシさんの言いたいことは極めてシンプルで、以下の二点に集約されます。
第一の主張は「自分を受け入れなさい、自己受容しなさい」。
自己受容とは「自分を受け入れて、愛してあげる」こと。
自己受容していない人ほどナルシシズムが強くて、つまり自分が好きで、でも自分を愛していない。(40ページより)
第二の主張は「恋が苦しくなってしまう原因は、相手の存在を使って『自分の心の欠けた部分』を埋めようとしているから」。
「恋人ができれば、この『さみしさ』から解放されるんじゃないか」
「誰かが私を愛してくれれば、コンプレックスを意識しないですむのに」
「あの人と結ばれれば、私は『なりたい自分』になれるかも」
心のどこかで、そう思いながら恋をしているとしたら、あなたは自分の心の穴を忘れたくて、恋の相手の存在を穴の中に詰め込もうとしているのです。
でも、どんな相手であっても、現実に生きている一人の人間である以上、あなたの心の穴にピッタリはまって、ふさいでもらうのは不可能です。(54ページより)
……では、幸せそうな恋愛をしている人は心の穴がないかというと、そうではないのです。
幸せそうな人には、心の穴がないように思えるかもしれませんが、そうではありません。
自分を愛すること(受容すること)ができている「幸せそうな人」とは、自分の心の穴をふさいだり無理にコントロールしようとしたりせず、おりあいをつけている人なのです。(57ページより)
なぜ、著者はここまでわかった風なことを言うのでしょうか。
著者の仕事はAV監督。女性の「性」をプロデュースすることを生業にしてきた人であり、またいわゆる「ヤリチン」であることを告白しています。
その彼がまえがきで「この本では(中略)あなたが幸せを感じられるようになるための手助けをしていきます」と書いているわけです。
どのような心情からこの本を書いたのか、ちょっと想像してしまいますね。
【この本のココがスゴイ!(1)】じゃあ、そもそも“ヤリチン”ってなんなの?
この本によると、ヤリチンとは「『たくさんの女性とセックスできる自分』と言う自意識で、自分の心の穴を埋めようとしている男のこと」です。
女に恋されている自分が好きなだけで、自分に恋する女の内面は嫌い。「重い女はウザい……」と思いながらも、彼女たちとセックスし続けているのがヤリチンとのこと。
またこの本には「受け身のヤリチン」という言葉も出てきます。なにそれ?って思うなかれ。著者によると受け身のヤリチンは一番悪質だといいます。
恋をした女性は「彼を振り向かせたい」と思って、媚びたフェラチオや媚びた日常をがんばるわけですが、がんばればがんばるほど「セックスは騎乗位。フェラはさせるがクンニはしない。いばっているのに受け身のセックス。日常生活は支配的」と、なっていきます。(158ページより)
……少しでも身に覚えのある人は、考え直した方がいいです。
著者は断言しています。「むしろ『男のためのセックス』をしている女性の方が浮気されやすい」と。
男性から「愛されよう」と無理してやっていることが、結果的に大切にされないことに繋がり、軽く扱われるように、自分から仕向けているというのです。
【この本のココがスゴイ!(2)】「愛されようとすること」を、止めてみる
「自分が人から好かれるとか嫌われるとかいうこと」に無頓着になっていてみてください。
それができた時、つまり自分で自分を受容したときに初めて「人から愛される」ようになるんです。(179ページより)
愛されたいなら、好かれようとして男性に媚びたり、尽くしたりしない方がいい。これは今まで紹介した恋愛指南書でもよくいわれていますが、著者の二村さんは「無頓着になって」と提案しています。
確かに、こまかい事に思い悩むことなく、無頓着になり天真爛漫にふるまうことが、一番その人の魅力を引き立てますよね。
著者は自分から「愛されようとするのをやめる」のが怖い読者に、自己受容していく手立てを章立てて書いています。
8-1 感情は、考えないで感じきる。
8-2 するのが「嬉しい」ことだけをする。
8-3 自分の「未来」を忘れてみる。
8-4 「女らしさ」で悩まない。
8-5 セックスの時は、相手の目を見る。
この5つは、どれも「愛されようとするのはほどほどにして、自分から愛する」ことを実践する方法なのです。
8-4は、あなたが男性であるなら、「男であること」の上にあぐらをかかない、ということだと思ってください。
そして8-6「感謝されていることに気づく」というのは、
「じつは自分で思っているよりも、あなたは意外と肯定され、受容されている、愛されている」のを知ろう、とうこと。(179ページより)
著者の一番言いたいことを著しているのが、ビョークと言うアイスランドの女性歌手が歌う『All is Full of Love (すべては愛に満ちている)』という曲。ちょっと歌詞を検索して確認してみてくださいね。
この本のまとめ
著者は運命の人について、以下のように述べています。
◇上から目線で「あなたを理解したフリ」 をせず、そのまま受容しようとしてくれる
◇一緒にいて、なんとなく居心地がいい
◇そのことを、おたがいに感謝しあえる
そしていちばん重要なのが
◇一緒にいることで、あなた自身も相手も、いい方向に変わっていける
そういう人が、あなたの「運命の人」です。(206ページより)
もしかしたら、あまりドキドキしないかもしれない。だけどなんとなく居心地がいい。そういう相手がいたら、ちょっと寄り添ってみてください。
愛し合えるということは受容しあえるということ。お互いが相手のありのままを受け入れてて、無理のない相手。それが本当の「運命の彼」なのです。
藤本フランソワーズ (恋愛本マイスター)
京都の旧家出身の父から溺愛され、欲しい本は好きなだけ与えられて育つ。
元々恋愛論や恋愛小説は読んでいたが、失恋をきっかけに本格的に恋愛本に没頭する日々を送る。
敬虔なクリスチャンでもあり、生涯を賭けての目標は聖母マリアの愛を実践して生きること。
チャペルと大学図書館がお気に入りの場所。
■Blog:https://gothic-ribbon.me
■Instagram:https://www.instagram.com/fran_booklover_sapporo/
恋人に関する悩みを解決する方法のまとめ
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