【夢が叶う9つの定理 第5回】「人を集める企画」のヒント。
●渕上賢太郎(ふちがみ・けんたろう)博士
夢を叶えるアカデミー主宰。数学、生命科学、行動経済学の博士号を持つ。その知識を応用し、ヒト・モノ・コトを思い通りにする定理を発見した。前回、山田君に「絶対成功する企画」のヒントを伝授。
●山田君
博士の教えにより、彼女いない歴=年齢だったモテない人生に終止符を打った32歳。仕事でも成功するため、博士のもとで勉強中。「絶対成功する企画」を考えろというミッションを受け、博士に泣きついてきた。
※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。また、目標達成のための記事ですが、恋に悩む女性にも役立つ内容だと考え、このたび恋愛ユニバーシティにも載せる事にしました。
神奈川県某所にある謎に包まれた研究所の一室。そこには「夢を叶えるアカデミー」の看板がひっそりと掲げられている。ここでは「成功」に関するあらゆる研究が行われており、夢を叶えたい起業家や、思い通りに動かず邪魔ばかりする部下に困り果てた経営トップたちが、こぞって扉を叩く……。
「出世してお給料をいっぱいもらって人の羨む生活をする!」そう決意した山田君。ようやく大きな仕事を任されるようになったが、「絶対成功する企画」として山田君が考えたのは、どうもピントがずれたもので……。ちなみに山田君の今の立場は、中堅IT企業に勤めるヒラSE。
山田君 前回、僕の渾身の企画「けん玉プラス」が全力で否定されたわけですが。もう「Faceけん玉book」くらいしか思いつきません。
博士 「Faceけん玉book」というのは、けん玉を通じて、人と人とがつながり合うクールなSNSじゃあないよな?(※この記事は2011年に書かれたものです)
山田君 !!!
何故そこまで分かるんですか?
博士 却下だ。
山田君 もう何のアイデアもありません。あとは「モンスターけん玉ハンター」くらいです。
博士 モンスターけん玉ハンターというのは、モンスターがけん玉を‥‥いや、何も言うな。今日はWebで流行するための基本というのを教えよう。
山田君 基本?無難なコンテンツってことですか?
博士 Webサービスを考える上で、持っておくべき視点の話だ。
実は、Webで人を集められるコンテンツにはいくつかの共通する特徴がある。
山田君 えっ、そんなものがあるんですか!早く言ってくださいよ~。
博士 インターネットに集う人々というのは、主に次の8つのタイプに分けられる。
まずは①情報を探している人、次に、②誰かとつながりたい人、snsや出会い系などを利用しているひとだ。そして③暇つぶしをしたい人。
山田君 ああ、この3つは僕も当てはまります。
博士 さらに④記録を残したい人。日記系のブログをやっているような人たち。そして⑤何かを発信したい人。小説や自作のイラストをアップしたり、YouTubeやニコニコ動画に投稿しているような人たちだな。それから、⑥記録を分析したい人にもネットは向いている。ダイエット系のアプリとか、女性向けでヒットしている「ルナルナ」なんかはこのあたりのニーズをくみ取ったと言えるだろう。
あとは、⑦現実逃避したい人。アバターとかアメーバピグとか、そういう仮想現実の中で遊びたい人たち。そして最後に⑧人に言えない欲望を満たしたい人だな。アダルトサイトや裏サイトに集う人たち、あるいは美容整形、薄毛などのコンプレックスと関係しているサービスもここにはいる。また女性がアダルトグッズを求めるのも、リアルな店舗でははずかしいので、Webサービスのニーズが大きい。
この8タイプがいるということを踏まえて、このどれか、もしくは複数にヒットしそうなもの、という視点からコンテンツを考えるのが基本だろう。
山田君 なるほど~。
博士 例えば、①の情報が欲しい人のニーズを考えるなら、情報の質が高く、かつ整理されているサービスであることが重要だ。最近よくあるのは「good!」や「Like!」のボタンで、情報の質の高低をユーザーに決めさせ、それをランキング化し、質の高い情報だけをユーザーに見せる方法だ。これは一見、情報の中立性が保たれていそうに感じるし、運営者に情報の質を見極める能力を磨かなくて良い楽さがある。
さらに、そのボタンを押すことで情報が共有できれば、それは⑤の何かを発信したい人のニーズにも合う。「俺、これ知ってるんだぜ」って自慢したいという感情だな。
FacebookやTwitterなど、最近伸びてきているツールはこれに②の誰かとつながりたい人のニーズまで組み込んでいるから、かなり計算されたサービスであることは間違いない。
山田君 なるほどぉ。
博士 そして、コンテンツの方向性が決まったら、それをどうやって形にしていくかだが――たくさんの人に使ってもらいたいなら、一つ忘れてはいけないことがある。
それは、シンプルであることだな。わかりやすくて、迷いがなくて、直感的。
少し前に「脳内メーカー」的なものが爆発的に流行ったが、これなんかは名前を入れるだけのシンプルな構造だ。名前を入れる場所もわかりやすく、アクションは1回で結果が出る。迷いがない。一方でごちゃごちゃした作りになっているサービスは流行らない。複雑すぎて流行らなかったサービスをあげれば切りがないが、ITエンジニアの自己満足みたいな複雑なサービスは、一般の人間には最初のモチベーション、つまり「使ってみる気」がおきないんだ。これはWebだけではなく、電気製品など複雑になりそうな商品全てにいえる。
こういった要素を持ち、なおかつそれを更新し続けるコンテンツがWEBでは支持される。
山田君 更新!そうなんですよね~。やっぱり次々新しいものを出していかないとダメですよね。新コンテンツが決まったら、それを更新する人間をひとりつけようとは思ってるんですけど、もしかしたら僕がやることになるかもしれません。
博士 君は何も分かっていない。
山田君 え?
博士 WEBでは高い更新頻度というのは、絶対に必要だ。だが、それを自分たちでやるのはあまりオススメできない。
山田君 外注ということですか?
博士 外注も2流だ。そこに集まるユーザーや、露出することでメリットがある第三者に勝手に更新してもらうのが一番なんだよ。
例えば、掲示板があってユーザーがそこで交流していれば、それだけで更新はされている。あるいは、医療系のポータルを作るなら、そこに沢山の専門医が参入できる場を用意する。お医者さんの「自分の病院の宣伝になるから」というモチベーションを刺激して、せっせと更新させるというのが賢い。
その場合、運営側は、ユーザーや第三者に良いコンテンツを更新し続けてもらうための場を如何に上手に用意できるかが重要となる。
アマゾンだって、ユーザーレビューや中古書店の出品でコンテンツの更新数を稼いでいる。ユーザーの欲しいものリストまでもコンテンツ化する貪欲さには頭が下がるな。
今から新しいコンテンツを作るなら、こういう更新の仕組みを入れるのは必須だろう。
山田君 なるほど!わかりましたっ!これで、基本戦略を考えてみます!
そして余力で「けん玉プラス」を……。
博士 そんなにやりたかったのか、けん玉プラス……。
今回の定理
Webで人気の出るコンテンツを作るには、①ユーザーの8つのニーズ②シンプルな構造③高い更新頻度の3要素を押さえる必要がある。
ぐっどうぃる博士 (恋愛カウンセラー)
理学博士(生命科学専攻)。現在は主に恋愛カウンセラーとして活躍。自身の体験と生命科学的視点を合わせた独自の恋愛メソッドを展開し人気を集めている。悩める女性の恋の問題が解決するサイト『恋愛ユニバーシティ』主宰。
現在、WEB、書籍、雑誌等など多方面で活躍中。また大手企業のマーケティングリサーチや企業のブランディング戦略にも参画。
近著に『振り向いてくれない彼に1ミリも迫らないで恋に落とす本』がある。
他にも『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)などがある。
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