彼女やその女友達複数からやにわに友達になろうって言われて、二つ返事で友達になった。
誤解を招かないように結論から言えば、その頃、ガキの癖に生真面目位しか他にあまり取り柄がなく、頑なだった自分なんかにハッピーエンドどころか、肉体関係には至らなかった。
ガキはもう卒業したいのに、体の成長に心がついていかなかったあの頃を深く考えると、今でも焼きついたようなあの頃の陰鬱な焦燥感が漂いだすから、思い出とは不思議なものだ。
とにかく、読書が好きだったので彼女達とは図書館で良くお話したり、一緒に宿題を済ませたり、等、中学校の自分が専らぼんやりと過ごしていたのがまるで嘘だったみたいに今迄の生活が180度変わった。
モテる。この言葉はどこか鼻につくのであまり好きではないのだが、ありていに言えばそんな感じだった。勿論、その中での苦労もあった。勉強や趣味ばっかりの自分には突然親しくなった異性との距離の取り方が良く分からず、合わせる事ばかり考えていたので、どこかしどろもどろで四苦八苦みたいだった。嫌われる事はなかったのだけども(今はもうどうか分からないが)、とにかく、自分にしては上出来すぎる位、何もかも上手く高校生活を送っていた。とある夏までは。
結局、夏になると前年のように高成績の維持に無理が祟り、今でいう思春期うつ病を患ってしまったのだ。
何故かは何となくだけどあった。結局、親しかった女友達を意識しすぎたり、誰が本命なのかを考えたら夜も眠れなかったので、しょうがなくマラソンや勉強ばかりしていたのだ。
これは後で知ったのだが、男子中高生の性欲は男性の生涯の性欲のピークに達する、というらしい。確かに、あの頃の感情には身を焦がし焼き尽くされそうな、下手したら何かを壊してしまいそうな程の盛り以上の衝動を感じてはいたのだから、そんな自分が、科学的に裏付けされた説を否定はできない。
正直、セックスをしなければどうにかなりそうって位の衝動を抑えて殺す位の事をしなければマズイのではないかと思ったので、結果として頭は良くなったのだけども、流石に恥ずかしくも滑稽で、今思うと、どこかくすっと笑ってしまいそうになる。
結局、その時は本命は誰かを選びだせないまま、欠席がちになった自分は高校を中退し、中途半端なまま大検を受ける形で、心中複雑なまま、B高校を去るのであった。
その後がまた散々だった。私学の中堅高校だったので、両親からは落胆とともに泣かれ、罵倒され、まさに踏んだり蹴ったりだった。親不孝者。多分、自分は所謂そういう奴の星に産まれてしまったんだろう。結局、一匹狼の方が性に合う事に逆らってもそうなるのか、と、その頃からは感じるようになった。
挙げ句の果てに、落ちこぼれ。世間の目を意識しすぎる両親や自分は結局、余計にこじれてゆくのであった。
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