恥じらい

宅では、夫婦の営みをする時に、
まず部屋を薄暗い状態にしていただきます。
カーテンを閉めて、灯りを消して。

以前は旦那様に1枚ずつ脱がされていたのですが、
これは、結構時間がかかります。

私は根がせっかちで、
先日、つい、もう結婚して時間もたっているし、
いいわよねっと自分の判断で、パッパと脱いでみました。

旦那様はそれを見て、特に何も言わなかったので、
そういうことを何度か、繰り返していました。

･･･

ある日、終わった後のピロートークで、
いつもよりも旦那様が饒舌に話してくださいました。

「男性がへこんでいる時、一番、副作用なしに
元気になれるのがセックスだ」

「四面楚歌でボコボコにされて、きつい時、
セックスのことを考えたり、実際にセックスする
のが、また戦いに出かけるエネルギー源になる」

そういえば、徹夜明けなど、体力的にとてもきつい
でしょうと思う時ほど、激しく求められたり、します。
男性の性欲は、女性のそれとは、全く違います。

なるほど、　
私にできることは何かしら、と考えてみました。

「じゃあ、次に旦那様が、仕事で追い詰められた時には、
私もセクシーな下着で助太刀しましょうね」
と言ってみました。

すると、
「あのね、もー！全然違うよ！！」
と否定されたのです。

よく分からなかったので、詳しく聞いてみました。
一般的な男性すべてに当てはまらない箇所もあると
思いますが、使える部分があればお持ち帰り下さい。

まず、男性と女性では、セクシーと言う言葉のイメージが
少し違うようです。

赤とか黒とか、いわゆるセクシー系と言われている下着が
旦那様にはヒットしないそうです。曰く、

「僕は、下着は白が一番いいな、
女性は黒の下着をセクシーだと思っているみたいだけど、
あんなの全然セクシーじゃない」

「パンツを脱がしたら、下の毛が出てくるでしょ、
黒いのだったら、変わらないじゃない。
白を脱いだら黒っていう、そのギャップがいいんだよー」
（毎回びっくりして感動するんでしょうか）

「昔、中学の頃とか、性欲が一番強い時期に、できなかった。
その頃に、電車に乗っていたセーラー服の可愛い女の子の
下着とか想像してるわけ。その頃の状況を思い出すような、
シチュエーションになるとすごく興奮するわけだ」
（イメクラってそういう場所なんですね）

･･･

チラリズムというのでしょうか、見えない部分を
想像して興奮するのが、たまんないんだそうです。

つい笑ってしまいましたが、旦那様は本気です。

着物なら足元や手元、うなじが興奮する。
洋服なら白いシャツの胸元から、チラッと胸のふくらみとか、
キャミソールのレースが見えそう･･･みたいな感じ。

夏は白い洋服を着る機会が増えますが、注意点をひとつ。
カラーの下着をつけて汗でブラやショーツが透けて
見えるのは、もう、幻滅このうえないのだそうです。

男性は、本当に繊細な生き物なんですね。
そして女性には、上品で清楚にしていて欲しいのですね。

その時、はっとしました。

「今、少し反省したのですけど、
洋服は旦那様に脱がせてもらった方がいいみたいね」
とおそるおそる、聞いてみました。

「ははは･･･この頃もう恥じらいがなくなったよね」
と言われてしまいました。

あわわ、大反省です。

男性は、自分の手で、1枚、1枚脱がせていくのが
楽しいのですから、奪ってはいけませんでした。

･･･
怖いのは、旦那様は自分からは
不満をおっしゃらなかった点です。

私は、慣れて、馴染んでくると、
つい手抜きをしたくなります。

何も言わないからと少しずつ、
手間を省いていることが少なくありません。

旦那様は何も言わず、
少しずつ、幻滅しているのかもしれません。

よくよく、肝に銘じて、過ごしてまいりましょう。

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