男の子のツボ

公開:2015-01-13 22:53

投稿者:yuki

 

与える喜び


自分を育ててくれる良書との出会いは貴重です。

「がん哲学外来の話」 (樋野興夫氏) を読みました。
身近にがん患者の方がいらっしゃる方、
がんという病気について学びたいと思う方へ、
おすすめしたいと思いました。

私は人並み以上に健康ですが、婦人科系の病気だけは
怖ろしく思って過ごしてまいりました。

この本を読んで、自分ががんになることが、
少しだけ、怖くなくなりました。

ジャンルを問わず、厳しい修羅場をくぐり抜けてきた人
の言葉には力があります。

今はまだよく意味が分からなくても、なにか響くものがある
と思ったら、言葉を記憶して、胸の中にしまっておきます。

1週間後か、3か月後か、5年後か、分かりませんが、
ある日突然、ぱっと鮮やかに、その言葉がよみがえります。
言葉どおりのことが自分の身に起こる時が、来ます。

・・・

すべての希望を失い、自殺しようとして失敗した
ある患者さんが、相談に訪れました。
樋野先生は声をかけました。

「それでも、あなたには
 死ぬ という大事な仕事が残っている。」

うつむいていた患者さんは、驚いて、顔を上げました。
目の色が変わり、エネルギーがわいてきたようです。

ある日、
がん患者さんの病床に、お見舞いに来た人がいました。

お仕事で悩みを抱えていて、暗い表情だったそうです。
患者さんは、いっぱい時間がありました、
友人の話を親身に聞き、明るく声をかけました。

病室を出る時には、友人はすっかり元気になって
帰って行ったそうです。

どちらが見舞われたか、分かりませんね。

患者さんは思われたそうです。

この時のために自分は生きてきたのかもしれない。

樋野先生は続けます。
病人は与えられるばかりが幸せなのではない。
人間は、与えられる喜びよりも、与える喜びのほうが大きい。

・・・

私たちには、親を選べません。
持って生まれた才能を選べません。

いま、ここにいる私たち、ひとりひとりは、
「生まれ」という先天的な才能と
「育ち」という後天的な獲得物によって
出来上がった作品です。

過ぎ去った過去の事実は変えることはできません。
過去の記憶を再構築することは出来ますが。

「いま、ここ」においてのみ、動きを起こすことができます。
コトを起こすというやつです。

流れを変える、ちょっと大げさにいうと
世界を変えることができます。

貴女が思っている以上に、
貴女の挨拶、笑顔、ちょっとした心遣いは、
目の前の他者を揺り動かす力があるのです。

こちらの恋愛相談を読ませてもらって、
「彼に愛されたい」と言いながら、その彼を中心にするのではなく、
彼の思いや状態に合わせて行動できない女性がいます。

私自身も強いエゴや自己中心的な性格、ネガティブな面が
たくさんありますので、戒めとして読ませていただきます。

自分の劣等感からくる衝動性や、自分の欲を満たすこと、
自分の望みをかなえること、自分のエゴで走るのは、
人間関係において借金を重ねているのと同じです。

長い目で見て、貴女の人生を損ないます。

・・・

博士のプロトコルを読んで、
アホ、そんな聖人君子みたいなマネ、できるかいな!
と思われたかもしれません。私も最初はそうでした。

繰り返し、繰り返し、何度も読み込んでみてください。

自分の考えをわきへ置いて、
「であるかのように」振る舞ってみませんか。
キャラクターを決めて、演じ切りましょう。
まずは30日間だけ。

だって、過去の貴女は、うまくいかなかったのでしょう?
問題があったから、このサイトに辿り着いたのでしょう?

そうよ、どうせ崖っぷちなんだから(失礼)、
だめもとでやってみましょう。

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▼ コメント(2) - 新しい順

  • >No.124847への返信

    ふらわーさん、おはようございます。
    興味を持ってくださり嬉しいです。

    おっしゃる通り、患者数が増える一方で
    医療技術が向上し、がん=死の病気では
    なくなってきています。

    がんに罹患し、治療のために一時期離職し、
    また職場に復帰した女性がいます。

    彼女の言動から、人生観や価値観の
    大転換が起こったように拝察しました。

    どんな災難と思える出来事に見舞われても
    あかるく淡々と生きる、ための
    ヒントをもらえる本かもしれません。
    No.124854yuki(投稿者)更新:2015-01-14 08:21

  • 日本人の三人に一人はがんで亡くなっている。
    単純計算で自分もがんで死ぬ確率が33%もあるのに、皆、あまりにもがんという病気について無知すぎる。
    となにかで読んだことがあり、それでも依然無知なままなのがなんとなく心に引っ掛かっていました。
    がん哲学外来の話、読んでみます。
    病気そのものというよりは、心のお話なのでしょうか?
    日々、たくさんのがん患者と向き合う医師ならではの学びが多くありそうです。
    教えてくださってありがとうございました(*^-^)
    No.124847ふらわー 更新:2015-01-14 07:19

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