「何もしない」をする

尊敬する先輩女性のことを紹介します。
Ｔさんとしましょう。私の憧れの女性のひとりです。

Ｔさんは私とは別の職場にいるのですが、何かと
気にかけて、訪ねては、明るく声をかけてくれます。

私や他の人がやっている仕事ぶりを見て、
ツッコミどころ満載だと思うのですが、
決して否定的なことを言いません。

そして、彼女がやる　ということもありません。
黙って見ていて、私たちが気づくのを待っています。

よく気がつく人は、気になった点は本心では自分が動いて
直したいし、その方がすっきりするでしょう。
でも、それをやってしまったら、部下は恐縮します。
場合によってはひねくれたり、拗ねるかもしれません。

「何もしない」をやる。

恋愛場面に置き換えると、彼から連絡があるまで、
「何もしない」をやり続ける。

色々な方のご相談を拝見して思いますが、
何もしないというのは、とても忍耐力を試されます。

感情が揺れている時、何かしたくて、苦しくてたまらない。

そこを、ぐっとこらえる。

女性として大事にされる、愛されるために
必須の能力だと思います。

・・・

Ｔさんは、何かトラブルがあると、まず、謝ります。
「どうも私が間違えたみたいで、忙しいとこをごめんなさい、
ちょっと見てほしいのだけれど・・・」

カーネギーさんの「人を動かす」を
ごく自然体で実践されています。

あまりに自然体でなさるので、
彼女の生来の性格のように受け取っていました。

先日、お話する機会があり、
「私が変わったのは20年前位かしら・・・」
とお話されているのを聞きました。

仕事上の必要から、やむを得ず、
色々な経営者の会合に出席するようになり、
たくさん失敗もしながら、自分なりの居心地の良い
人づきあいを手に入れていったというお話でした。

驚きとともに、訓練次第で私でもなれるかもしれないと
あかるい希望を感じました。

・・・

一緒に時間を過ごす相手が気持ちよく動いてくれるように
控えめに、でも能動的に働きかける。

人づきあいも、練習あるのみです。

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