恋愛喜劇

公開:2016-07-15 23:03 ( 更新:2016-07-15 23:07 )

投稿者:アミィ

 

結活最終章PartIII


その日、私は何と無く、犬のホームページを見ていた。あー、犬可愛いな。200人見てダメだったら諦めて、犬飼おう。
でも毎日の散歩は面倒くさいなー。世話も一日ならいいけど、毎日はちょっと大変そうだし、お金がかかるのもなー。



……

………はっ!!

男を飼えばよくねっ!!??

理論や教訓とは、理解していても共鳴しない事が殆どだ。何十回、何百回と本を読み、同じ事が語られていても、ほとんどは心を上滑りする。
しかし、その何百回のうち、奇跡のごとく今までと同じ台詞が、天啓のような激しさで胸を打つ瞬間がある。
私にとっては、それが、その瞬間だった。

男を、犬と思いなさい。あなたと同じ人間だと思ってはいけません。byスターリング博士

なまじ良識ある人間だもんで、さすがに自分の恋人を犬と思う事に抵抗はあったのだが、私に残された手段はこれしかない!
かくなる出会いは、その週末明けに起きた。

その時期、ひなた先生のアドバイス
「アミたんは、自分から誘っても大丈夫。」
を受けて、私は、暇があればストックの中から男一人誘うようになっていた。
説明しわすれていたが、私の出会い活動は、オンラインがメインである。時間節約のためだ。
どーれーにーしーよーうーかーなー♪
その日、当たったのは向こうから最初のコンタクトを取ってきたものの、世間話ばかりで先に進まない、中国系男性 31歳であった。
ルールズオンラインでは、メール3回ぐらいで誘いが無い男は脈なしとされていたが、切るのもそこまでの努力が無駄になるため、私から誘うことにしていた。
ちなみに、女性から誘うという行為は、ルールズや博士理論でNGとされているが、私自身の成功率を見ても、おおよそ2割ぐらいだ。誘ってこない男は貴女にそこまで興味がないという理論は、確率的にみて一理あるといえよう。
とはいえ、使用時間30秒なら、2割の打率でも挑戦の価値はある。はずれくじの再抽選ぐらいに思えばいいのだ。私は迷い無くメールを打った。

「私、明日牧場にいくことにしているの。一緒に行く?」
「牧場!?(なぜとつぜん!?)ていうか、一人でいくつもりだったの?」
「誰も来なければ一人で行くわ。」
「解った、付き合うよ。」

そして翌日、私指定の牧場で彼と初めて会う事になった。
ついた途端、電話で相手を呼び出し、電話に出た声は、OK。
私は本業音楽系なので、声が不快な人間はすべてが不快に感じてしまうのだ。
そして牧場の草原をバックにして現れたのは、牛のような巨漢。しかもサングラスをかけてるもんで、お前はSPかっ!というような貫禄。
良い!っと私の本能が3秒で告げた。
何かはわからないが、良い!いける!
そしてデート1となった訳だが、うっかり間違えて肉をオーダーするつもりがなんか家族連れが楽しむふれあい牧場的な所に来てしまった私。屠殺場が無い事に落胆しつつ
「あ、あの豚さん、美味しそうー。黒豚かな。ところで豚の解体の仕方ってしってる?」
としょっぱなからエンジン全開でありのまま、おおよそ私が90%喋る感じで進む。
ひとしきり回った後、どの動物みても肉に結びつける私に気を効かせてか「おなかすいてない?」と聞いてくれたので彼の車に乗り、レストランへ。私があまりにも肉食だと思わせていたのか。自分の良い所を見せようと
「すみません、このレストランで、一番肉が多く入っている料理ってなんですか。」
と聞くゴリラ。
余計な事はすんな。恥ずかしいだろ、このゴリラ。
はっ!いけないいけない。相手は犬。私に犬語は解らない。ウフ☆
レストランで話しているうちに話題は恋愛の事へ。
「私は語ることはとくにないわ。それよりあんたの経歴聞かせなさい。」と聞いてみたらば
この男、女運が悪い悪い。見た目もよく身長も高く、性格も悪くないのでお付き合いには困らないのだろうが、とにもかくにも、びっくりするぐらい女運が悪いのである。
それをとくに自分の感情が入る事もなく淡々と事実だけを語るものなので、面白いなぁと思いつつ…ふと占い師の、
「お前は自我が強すぎるアルから、不幸で無能でお前に寄り添ってくれる男じゃないと無理アル!」
という言葉が私の脳裏をよぎった。
デート1はそんな風に終わり、帰ると彼からはメールが来ていた。
「貴女がどう思ったかは解りませんが、僕は今日とても楽しかったです。それだけお伝えしたいと思いました。」
それは、199人の中で一番素直で謙虚なメールだった。それに私も楽しかった、また会いたいというと、次のデートはすぐ決まった。想像力のない馬鹿ゴリラだから精々映画ぐらいしか考え付かないだろうと思っていたらば、予想通り映画で3日後、デート2が決まった。
映画の内容も良く、彼のより不幸な過去も明らかになった。とにもかくにも、一言でいうと、女のヒステリーに振り回されてきた人生なのだが。淡々と事実を語るので、
「怒ってないの?」

と聞いたらば。
「うーん…女性は、ほらホルモンバランスで気分の上下があるものだから。きっとその時機嫌が悪い日だったんじゃなかと…。」
えっ!?本当に!?これだけされてるのにそれで済ますの!?
「女の人のほうが大変だからね。」
心広いっ!!
そこで私は一つの実験に出た。彼は本当に心が広い男なのかどうか。家族関係が不幸な彼の前で、堂々と、自分の幸せな家族自慢をするという鬼畜行為に出たのである。家族の仲良し写真を嬉々と見せる私に対して、「すごいね、すばらしいね。」と褒める彼。

心が素直!!美しいっ!!
その反応は、すばらしく私の心を打った。なんてピュアで純粋で美しい心を持った男なんだろう。
デート2を終えると、彼のテンションはますます上がっていった。
「あなたが、僕の事をやさしい男だといってくれた事、とても嬉しかったです。僕にとってとても大きな意味がありました。ありがとうございます。」
謙虚!美しい!!
だがその次のデート3で私の心に疑惑の念がよぎった。

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