ヒトはなぜ浮気や不倫をするのでしょう。
「そんなこと言われても…。」
深遠な問いである。
「不倫や浮気がしたいっていうか、デートやセックスしたいってことじゃないの?」
「配偶者以外とね!!!」
だーん!と居酒屋の卓に生中ジョッキをしぶきを飛ばして置いたのは黒めがね弓岡先生の腹違いの妹のさな子さん(31)である。
「さな子のだんなの話じゃないからいいじゃん。荒れんなよ。」
「おにいはなんにもわかってない!親友がクソ共に苦しめられてるのを見るのはつらいの!おにいだって不倫から離婚でひどい目にあった子どもなんだからわかるでしょ!」
「わかるわかる。でもやる側の気持ちもわかる。」
「死ね!」
おにいの携帯に彼氏から着信である。さな子さんは新たなジョッキをぐいぐいあおっている。
『おい、今どこ?何してんの?』
「駅前で妹と飲んでる」
『ええ~いいなぁ~』
「つーちゃん来る?さな子の親友が旦那の不倫でうんぬんかんぬん」
『ギャハハハハ』
「ギャハハじゃないよ!つくもさんにはわかんないよ!不倫されて苦しむ妻の気持ちは!このホモ!」
『え~わかるよ~俺妻帯者と付き合ったことあるもーん』
「死ね!死んでしまえ!エイズで!」
『エイズは嫌!生きる!』
「つーちゃん待ってるからさ~。今からさ、いいでしょ?」
『えーどうしよっかな~』
「さな子家にタクシーで送ってさ~、その後、ねっ?」
『え~』
「死ねっ!全員死んでしまえっ!!」
「つくも君に隠れて浮気したりしてる?おにい…」
「まあたまに?」
「最低だ」
「俺も俺のことを最低だと思う。不倫王に俺はなる!」
「つくも君にバラそう。」
「やめろよお前!」
「別れさせてやる!天誅よ!」
「冗談だよ。」
「おにい、覆水は盆に返らず、一度口にした言葉は決して取り消せないのよ!過去は変えられないの!ふはははは!」
「やめろって。ほんっとうに浮気はしてないから!」
「浮気しないと浮気するの違いって何~?いつも多頭飼いじゃないよおにいは…」
「わからん…わからんけど浮気はしないっていうか…。今は俺がつーちゃんに飼われてるんだよねえ。で、真剣っぽい感じでしてくれるんで、満足?」
「はあ」
「満足…」
「すいません生中おかわり」
「やっぱなんか辛かったら不倫や浮気はしちゃうんじゃないの」
「ハァ~?」
「いやあ色々と思い出してみるとさあ、辛いんだよなあ、生きること自体?浮気っていうか新しい恋愛みたいなことをしてるとその間は辛さがまぎれるわけよ。でも自分が結婚してるとなると不倫が必要なくらい辛いっていうのはつらいだろうねえ。」
「わかりません。もう…」
「親友さあ、離婚したほうがいいんじゃない。親友の旦那は不倫に走るほどに辛かったんだよ、親友との結婚生活がさあ。じゃなきゃ不倫はできないよ。」
「…」
「不必要なことはなにひとつできないんだよ、人間は。親友の旦那はそれが必要だから不倫してるんだよ。不倫でもしてなきゃ死にそうだから不倫でなんとか生きてるんだよ。配偶者だっていうのなら、可哀相だしつらいだろうけど、親友が旦那のそういう人生のむなしさや寂しさをわかってあげなきゃいけないよ。人間は、いいとこ取りはできないんだよ。」
ポーンとけたたましく店員呼び出しブザーを鳴らして、さな子さんはべろべろに酔っぱらいながらカマンベールコロッケとポンカラとさつまいもハニーを注文した。
「あと生中」
「飲みすぎだよ。すいません、水ください。ジョッキで」
「生中!」
「わかったわかった」
「俺参上~!遅くなってごめ~ん。ええっさなちゃんもう潰れてんの?不倫の話聞くの俺楽しみにしてきたのにい!」
「旦那君が今迎えに来るってさ。つーちゃん生でいい?でもあんまり飲みすぎないでね?」
「俺の不倫小噺を披露する時がついに来たと思ったのに…!」
「あっ俺聞きたい聞きたい」
「お前じゃ面白くないんだよ。わーとかきゃーとか言わないじゃん。」
「でも勃起はするよ?」
「違うんだよ」
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