藤原紀香、神田うのに見る、「キレイなだけ」では我慢できないアラフォー女性

登場人物

●渕上賢太郎（ふちがみ・けんたろう）博士
モテモテアカデミー及び夢を叶えるアカデミー主宰。数学、生命科学、行動経済学の博士号を持ち、人の心の動きを論理的に解明する。

●山田君
博士を慕う冴えない32歳。博士の教えにより、彼女いない歴＝年齢だったモテない人生に終止符を打った。

※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。

山田君　博士、ちょっと前になりますけど、藤原紀香さんの熱愛報道はなんかキツかったですねえ （※この記事は2011年に書かれたものです）。

博士　というと？

山田君　「困っちゃう～」とか言いながら、ものすごい笑顔を振りまいていて、見てるこっちが困っちゃう感じでした。正直、誰が彼女のラブラブアピールを求めているのかよくわからないです。

博士　神田うのの妊婦ヌードとどちらがキツい？

山田君　うーん。うーん。うーーーん。

博士　うなされているようだな。

実はこの２つは関連していると僕は考えている。

現代の女性芸能人は、キレイだけではダメなんだ。
「周りから見て、幸せそうに見えないと、女性たちがついて来ない」
これは“クギズケ”という超タメになるワイドショーで、女性ファッション誌グラマラス編集長藤谷英志さんが一般論として言っていた。

僕も同感だ。

山田君　幸せそうに見えないと、女性たちがついて来ない？

博士　そうだ。もし、藤原紀香が「綺麗だけど、なんか不幸そう」と一般人に思われれば、彼女を支持する女性は大幅に減ってしまう。彼女のメイクやファッションの真似をすると不幸になってしまいそうと感じる女性もいるかもしれない。

一方で、神田うのの妊婦ヌードは次のことを象徴している。
「私は好きに生きて、妥協せずに結婚をし、子供を作った。見て！私の幸せな生き様を！」
一部の女性は神田うのに生き方の答えを見いだし、ついていこうとする。

山田君　あのヌードがそこまで語っているんですか？？

博士　そうだ。芸術というものは、その背景まで知って初めて味わいが深くなる。

山田君　でも。結婚して、子供を作ることが本当に幸せなのでしょうか？

博士　一つ真実を教えよう。

迷える人たちにとっての幸せは、他人から見て幸せに見えるかどうかが、大きく影響しているんだよ。

そして、他人から見て、アラフォー女性が幸せに見えるためには、「結婚」が必須アイテムなんだ。

山田君　ええっさすがにそれは古いでしょ～？

博士　僕も古いと思うし、本当の幸せと結婚は関係ないと断言できる。

だが、「じゃあ、何が幸せなんですか？」と聞かれれば、本人たちも含め、誰も答えられない。

「好きな男性と結婚をし、妊娠をし、出産をする」
これに勝る幸せを誰か提案できる？　多分出来ない。誰かが提案しても、説得は無理だろう。

一時大ブームになったセックスアンドザシティというドラマがあっただろう？

アラサーの自立した女性が、贅沢を楽しみ、恋愛を楽しみ、今を楽しむあれだ。1998年から始まったドラマで、結構多くの女性があの生き方に憧れ、自由と贅沢を楽しんだはずだ。あれから、１０年以上たったのだが、セックスアンドザシティの結末を知っているか？
メイン4人のうち3人が結婚するんだ。

最先端の街ニューヨークを舞台に、自由にゴージャスに生きる進歩的な女性たちを描いた脚本家たちすら、視聴者にもっとも受け入れられるラストは「アラフォー女性の幸せには結婚が必須」と結論づけたんだよ。

それくらい、女性の幸せ＝結婚という考え方は強いんだ。

山田君　あれってそんな話だったんですか。
ちら見しただけで、僕には無関係な恐ろしい女性たちのドラマだと感じたので、見るのをやめました。

博士　ビビりすぎだろ。

そういうわけで、女性芸能人、特に「ライフスタイルも含めて売りにしてきたような女性芸能人」は、アラフォーになっても独身だと不安になるんだ。そして、彼女達の一部は「このままだと不幸に見えるんじゃないか」と感じて、何かと幸せアピールをし始める。

これは、一部の女性作家や女性エッセイストなどにも言える。
若い頃、「奔放な自分」だの「自由な生活」だのを売りにしていた人が、ワインに凝ったり、美容に凝ったり、エコに凝ったり、スピリチュアルに手を出したりしはじめることがある。僕から見れば、すべては「不幸でない私」を演出するためのキャラ作りだ。

山田君　なるほど～。だから、別に誰も求めてないのにあんなにアピールするわけですね。

博士　そうだ。芸能人、著名人だけでなく、キャリアウーマン系の一般のアラフォー女性にもこういう人が時々いる。君の周りにもいないか。

山田君　そういえば、うちの会社に海外旅行が大好きで、休みがあるとどんな国でもひとりで行っちゃうお局様がいます。「恋より旅の方がドキドキするんだよね～」とか言って、いつも旅の話ばかりしてます。

博士　ああ、典型的だな。
お洒落な洋服を買い、美味しいものを食べるなど、ライフスタイルを楽しんでいて、それを周りに示して来た女性の一部は、ある時期からこれら芸能人のように、幸せアピールをし始める。

山田君　痛々しいです。

博士　その痛々しさに気づいている女性もいる。だから自虐的なことを言ったりもするんだ。
そして、そのように振る舞う女性は、いつのまにか市場で孤立する。
冒頭で、山田君がうなされていたのは自然だ。

誰も、藤原紀香の記者会見に興味はないし、神田うのの妊娠にも興味はない。

山田君　そんな彼女たちに僕はどう接したら良いのですか？
何かアドバイスしてあげた方が良いと思うのですが。

博士　ばかやろう！！！

山田君　な、なんですか！　急に？？

博士　アドバイスなんてしたら、終わりだぞ！！
袋だたきにあうだけだ。

もし、万が一、ここでの会話が彼女たちに聞かれたら、僕たちはおしまいだ。
どれだけ思い上がった上から目線の発言なんだ！！と叩かれるだけだ。
絶対にここでの会話は聞かれてはいけない。

山田君　絶対誰にも言いません。

博士　僕たちは、彼女たちをニコやかに見守っているしかない。

山田君　彼女たちが、「最近モテないんだよね〜」と助言を求めてきたら、さすがに何か言ってあげた方が良いですよね？

博士　ダメだ。彼女たちは助言など求めていない。

そういうときはこう言うんだ。
「そんなことないですよ。モテますって！！」あるいは「世の男は、まったく分かっていないですよね。こんなにいい女なのに」だ。

山田君　そうしたら、ますます孤立するんじゃ。

博士　誰が何を言っても聞き入られることはない。
身を守ることを第一に考えるんだ。山田君。

正直、僕も、今回なんでこんな話をしているのか分からない。こんな話をしてしまったことを、とても後悔している。

最後にひとこと言って良いか？

山田君　なんでしょう？

博士　これはアラフォー女性のごくごく一部だ。本当にごく一部。
そしてそのごく一部の彼女たちは、皆とてもいい人だ。本当の本当にとってもいい人なんだ。

山田君　何ですか急に？

博士　いや、とにかく、言っておかないと不安になったので、言ってみたんだよ。