【図解 恋愛】ピラミッド理論 その10 既婚者のピラミッド形状
結婚によるピラミッド形状の変化
独身男性と既婚男性でピラミッド形状に違いはあるかというと、基本的には無い。違いがあるとすればそれはピラミッド形状ではなく、結婚したい距離に一人の女性がマッピングされているということだろう。ただしピラミッド形状が結婚をきっかけにして変化する、ということはありえる。というか、ほとんどの場合で変化する。結婚した直後のピラミッド形状は、一途な男性のように1人の女性=結婚相手により支配される。この変化は婚約した瞬間に起こり、これまでのピラミッド内に配置された女性は「一旦」ピラミッドから放り出され、ピラミッドは一人の女性「婚約者」に占領される。
図1.結婚直後のピラミッドの変化
図1のように独身時代は様々な形をとるピラミッド形状は、結婚を機にほぼ同じ形状に落ち着く。この形状は少なくとも結婚直後は保たれる。
結婚数年後のピラミッド形状
結婚当初続いたいた棒状のピラミッド形状は、数年を経て徐々に変化する。最も多いのは、「結婚したい距離」にいる妻の他に「好きでいさせたい距離」に女性が配置されるものである。男性は常に女性にもてたい生き物であることを考えると自然な変化であろう。浮気・不倫に走る男性もいよう。その場合は「セックスしたい距離」に何人かの女性が配置されることになる。
変化しない男性もいる。「妻」をずっと溺愛してる男性や結婚を機に仕事一筋になる男性のピラミッド形状は結婚後数年たっても変化しない。そのまま一生変化しないケースもあるだろう。
図2.結婚数年後のピラミッドの変化
図2で注目してほしいのは「つき合いたい距離」が空白であることである。男性にとって結婚するということは、人生にとって重要な契約に対するコミットメントした、ということを意味する。このコミットメントがある以上、男性は別な契約を結ぶことはしない。契約違反は男性のサバイバルスキルを大きく傷つけることになるからだ。したがって、「結婚」という契約とは別の「つきあう」という契約をすることはないのだ。
「妻」が「結婚したい距離」にいる以上どんなに深い関係になろうとも、あるいは愛し合っていようとも、その女性は「セックスしたい距離」以上に昇格することは無い。
不倫について
不倫について考えてみよう。男性が既婚、女性は独身・既婚を問わないこととする。上の説明のようにどんなに愛し合っていようが、既婚男性は妻以外の女性を「付き合いたい距離」に配置することはない。男性にとって不倫相手は実質セフレと同じ位置づけになる。ただしこれが崩れるケースがある。それは「妻」が「結婚したい距離」から外れる場合である。こういうとすぐ離婚、という言葉を思い浮かべるかもしれないが、それよりはるか前に起きる現象がある。
妻たる女性がピラミッドから外されるケースである。あまりに夫婦仲が悪かったり、人間として愛想が尽いた場合、まれではあるがこの現象が起きる。このとき不倫相手が「つきあいたい距離」に配置される。
図3.不倫相手の女性の「付き合いたい距離」への昇格
不倫をする既婚男性の常套句「夫婦仲が悪い」はピラミッド内から妻を一時的にでも追い出し、契約を忘れるための心理作用であるといえる。
図3 ①のように妻がピラミッドから外れたとき、不倫相手の女性の価値が十分高ければ②のように昇格する。ただし、この現象は長くは続かない。思い出してほしい。男性は定期的に自分に関わった女性を思い出す。距離の離れた、そしてそれに罪悪感も伴って、一度ピラミッドの外に出た妻を再び「結婚したい距離」に戻すことをしばしば行う。そしてそれに伴って不倫相手の女性も再び「セックスしたい距離」に戻してしまう。
図4.不倫相手の女性の不安定な状況
上記のような状況が繰り返されると状況はかなり悲惨になる。不倫相手の女性は常に「セックスしたい距離」と「付き合いたい距離」を行ったり来たりするという非常に不安定な状況に置かれる。ただでさえ、疑心暗鬼の中で既婚男性と関係を持っているなかに、さらに大きな苦しみを抱えることになる。
普段の生活に彩をそえるような淡く軽やかな関係であれば、不倫もまた楽しいものかもしれない。しかし本気で既婚男性を愛したら最後、不倫は女性に大きな苦しみをもたらすものでしかない。
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