愛野カタルの恋愛指南書のススメ 第1回「ルールズ」
愛野カタルの恋愛指南書のススメ 第1回「ルールズ」
こんにちは。愛野カタルです。
突然ですが、あなたは“恋愛指南書”を読んだことがありますか? 優れた恋愛指南書を読むことで、実際の恋愛経験だけでは身に付けることのできない知識や教訓、人間心理を学び恋愛レベルを上げることができます。 そこで今回から私は勝手に「恋愛指南書コンシェルジュ」を名乗り定期的に、皆さんにオススメしたい恋愛に関する本をご紹介していきたいと思います。
第1回目の今回は、これぞ恋愛指南書の王道! 「ルールズ」をご紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、まずは基本情報から見ていきましょう。
1.本のタイトル:「ルールズ(原題:THE RULES)~理想の男性と結婚するための35の法則」
エレン・ファイン+シェリー・シュナイダー 著、田村明子 訳 KKベストセラーズ発行、2000年刊、571円+税(ワニ文庫)
☆ひとことで言うと「彼に縛られず、自由気ままに生きた方が実は彼から愛される」
評価:(5つ星が最高)
【読みやすさ】★★★★:とても読みやすい
【勉強になる度】★★★★★:目からウロコがいっぱい
【実践しやすさ】★★★:抵抗がある女性も多いかも。完璧に身に付ければ男性から愛されること間違いなし!
【納得度】★★★★:沢山の女性の経験則に基づいており、納得できる部分は多い
【恋愛における必要度】★★★★★:知っているのと知らないとじゃ大違い!
☆こんな女性におすすめ
・自分から男性に積極的にアピールして引かれたことのある女性
・最初は彼の方が自分のことを好きなのに、気づいたら自分の方が彼のことをより好きになっており、重くなってしまう(または振られる)女性
・好きな男性につい尽くしたり、下手に出てしまう女性
・男性から追いかけられ、大切にされる恋愛・結婚がしたい女性
・肉食系男性が好きな女性
・自分に自信がなく、自己肯定感が低い女性
2.著者の人物像(本書表紙扉より引用。出版時の情報に基づく。)
エレン・ファイン:1957年生まれ。ニューヨーク在住。「ルールズ・ホットライン」をもち、月刊ニューズレターを発行。全米で25のサポート団体をもち、恋愛カウンセリング、『ルールズ』恋愛相談活動を行っている。二児の母。
シェリー・シュナイダー:1959年生まれ。ニュージャージー在住。雑誌ライター。恋愛経験をもとにカウンセリングを行っている。一児の母。
3.「ルールズ」ってどんな本?
恋愛指南書を語る上で「ルールズ」は避けて通れない名著です。この本は全米で200万部以上の売り上げを記録し、日本を含む28か国以上でも翻訳されベストセラーとなっています。本書が目指すのは、「理想の男性から手に入れがたい特別な女性だと思われ、追いかけられ、大切にされて幸せな恋愛と結婚をすること」です。
女性が男性から大切にされ追いかけられ続けるために必要な振る舞い、態度、考え方等を35個のルール(=恋の法則)として事例を交えて分かりやすく教えてくれます。
例えば、なぜ興味のない男性からは好かれて、自分が好きになる男性からは好かれないの?と思ったことのある女性も多いでしょう。この本を読めばその答えがわかります。
男性に本気で愛されたいなら、男性が自ら女性を手に入れたいと思う「チャレンジ精神を奪わない」こと、「自分を特別な女性だと信じる」こと、「忙しくて幸せな自分でいる」こと、そして長期的な視野を持って「恋の法則」を実践することが大切です。
4.本書の内容
この恋の法則通りに振る舞えば、男性の持つ「自分の力で好きな女性を振り向かせたい、追いかけたい」という性質を上手く利用・刺激することができます。著者によれば、男性の気持ちをつかむ秘訣は「大好きなあの人にまるで興味がないかのように振る舞うこと」だと書かれています。
まずは、本書で紹介されている35のルールの一部を見てみましょう。
RULE1.特別な女性になること
RULE5.こちらから電話をかけないこと。留守電にメッセージが残っていても、かけ直すのはごくたまにだけにする
RULE7.土曜日の夜のデートの申し込みは水曜日で締め切る
RULE11.デートはこちらからおひらきにすること
RULE17.リーダーシップは彼にとらせる RULE19.あまり急いで打ち解けないこと RULE34.あなたを愛してくれる人だけを愛しなさい
35のルールに共通している点は、シンプルに言うと「女性の方から男性に好意をアピールしないこと」です。 著者エレン・ファイン、シェリー・シュナイダーは次のように主張しています。
多くの女性は男性を好きになると、自分でも無意識のうちに相手を特別扱いし、好意をアピールし、自分から連絡したり食事に誘ったりしてしまいます。しかし、実は多くの場合、この行動は男性に愛されるためには逆効果です。なぜなら、そのような行動は、男性が本来持つ「特別な女性を自分の力で手に入れたい」というチャレンジ精神を奪ってしまうからです。自分を好きなことが明らかな女性に男性は恋心を刺激されません。何もしなくても好きでいてくれるのなら、頑張って計画を立ててデートに誘ったり、連絡したり、振り向かせる努力をする必要はないからです。 私もこの意見には心から同意します。
本気で男性に愛され大切にされたいなら、自分の好意を相手に確信させないよう、男性に媚びない振る舞いをすることが重要なのです。35の恋の法則を実践すれば、男性に物足りなさを感じさせ、あなたのことをもっと知りたいという好奇心を刺激し、男性の追いかけたい欲を満たしてあげることができます。その結果、本気であなたを愛する男性だけがふるいにかけられ、あなたは特別な女性として男性に大切にされることができます。
特にRULE34は、この本全体に共通する考え方です。
「自分を愛してくれる人だけを愛する」とはつまり、自分に自信を持ち、自分自身を大切にすることに繋がります。自分を大切にしている女性なら、自分を軽く扱う男性や自分を大切にしてくれない男性には興味を持たないはずです。
本書の165頁に次のように書かれています。 「要するに相手があなたを思っている以上に相手にのめり込んでしまった場合、傷つくことになるのです。「恋の法則」は、あなたが傷つくことを避けるためのもの。もともとあなたに興味のない相手に、愛情を求めれば求めるほど女性は不幸になっていくというのは、全世界共通の真理です。」
これはまさに「恋愛に悩む女性あるある」と言えるでしょう。一般的に「女性は愛される方が幸せ」とよく言われますが、この本はそれについても繰り返し説明しています。この「ルールズ」の考え方と行動を完全に理解し自分のものにできたとき、あなたにとって恋愛は、悩みや苦しみの原因ではなく、男性から愛され大切にされて幸せを感じられるものとなるでしょう。
5.愛野の視点
この本は、一見「え?」と思うような、高飛車で傲慢な振る舞いをするよう女性にすすめているかのように思えます。しかし、この本はやみくもに自由気ままな振る舞いをしろと言っているわけではありません。35のルールは一つ一つが独立しているのではなく、全てが連動しています。読み進めていくうちに、男性から本当に愛され追いかけられる女性の特徴と行動パターンがわかるようになります。さらに、ルールズを実践することによって、今度はあなた自身が男性から本気で愛される「恋の法則ガール」へと変身することができるのです。
この本を読んで「こんなことしたら相手の男性に嫌われるんじゃないか?」、「こんなルール実践できるわけない」と感じる女性もいるかもしれません。しかし実は、そのように感じた女性こそ、この本で自分の恋愛スタイルに足りないものを補える可能性が高いのです。
まずは一通りよく読み、この本に書かれた数々の女性の恋愛での失敗談に思い当たる節があれば、できそうなルールから実践してみてください。ルールズの実践によって成功体験を得られれば「こういうことだったのか!」と効果を実感できるはずです。
一方で、この本を読んで「こんなの当たり前じゃん」、「既に似たような振る舞いをしているわ」と思える女性は、男心を掴むのが上手い女性でしょう。そのような女性がこの本を読めば、なぜ今まで自分の行動が男性を惹きつけてきたのか、その理由がよくわかるはずです。
●本書の注意点とデメリット
この本の最大の注意点かつデメリットは、この「恋の法則」はあなたに興味がある男性にしか効果がないということです。つまりこのルールズを実践してあなたが得られるのは、あなたの魅力に気付いてくれる男性ということになります。ですから著者は冒頭で、法則を実践する準備として、あらゆる手段で容姿を最大限磨いておくことが必要だと言っています。
そもそもあなたに興味を持たない男性や、片思いの相手には効果が薄いでしょう。また、恋愛にあまり興味がなく女性を追いかけることをめんどくさいと感じる一部の男性や、あなたをちょっといいな程度にしか思っていなかった男性は、ルールズの実践によってあっさり諦めてしまうリスクがあります。
なぜなら「恋の法則」の実践の目的は、男性から強く愛され、追いかけられ、幸せな恋愛をして結婚することです。したがって、対象の男性には本気の愛が求められます。つまり軽い気持ちであなたにアプローチしてくる男性は、自然に淘汰されていくのです。これはあなたにアプローチしようとする男性にとっては高いハードルになりますが、本気で愛されたいと願う女性にとっては大きなメリットになり得るでしょう。
また、この本はアメリカ人の著者によって主にアメリカ人向けに英語で書かれたものを翻訳しているため、場合によっては日本人男性にそのまま適用するのが難しいと思われるルールもあります。例えば、RULE4のデート代は割り勘にしないこと、というのは現代日本の若い世代にはなじまないケースもあるでしょう。そうした点は、状況や相手に応じて多少割り引いて考える必要があるかもしれません。また、RULE24の個人広告の正しい書き方に関して、日本では新聞に恋人募集の個人広告を載せる習慣はほとんどありません。しかし、昨今人気の恋活・婚活アプリ等で自分のプロフィールを書く際に応用することができるでしょう。
●私とルールズ
実は私もこの「ルールズ」を実践して幸せな結婚を手に入れた一人です。もちろん、最初から上手く実践できたわけではありませんし、ルールズだけでなく、同時にぐっどうぃる博士の本やジョン・グレイ博士の本等も読んで男性心理を勉強し、実践を重ねました。その結果、私は今でも夫に愛されていると実感できる幸せな結婚生活を送っています。
私にとって「ルールズ」は、それまで持っていた恋愛観を180度変えるキッカケになった一冊です。
苦しい恋愛の後にこの本を読み、自分では男性に愛されるためにしたつもりの行動が、逆に相手を冷めさせていたことに気付きました。
ルールズを読んで理解し実践した結果、私にとって恋愛とは、辛く苦しいものではなく、幸せで楽しいものになりました。結婚した今でも、夫から愛され大切にされる状態がずっと続いています。ですから、実体験に基づき、この本は自信を持っておススメできます!
最初は半信半疑でも、読み進めていくうちに「ルールズ」の考え方が理解でき、次第に「恋の法則」を試してみたくなるはずです。ちなみに、この本の成功を受けて書かれた続編として「ルールズ2」、「新ルールズ」(「ルールズ」とあわせてルールズ3部作と呼ばれることがあります。)、日本向けに書かれた「ルールズ 日本版」、オンラインデートに特化した「ルールズ オンラインデート編」等がありますが、まずはこちらの「ルールズ」から読んでみることを強くおすすめします。興味が湧いた方は、よければぜひ手に取ってみてくださいね。