結婚に失敗した!と思ったら…幸せな結婚生活にするためのヒント【恋愛必読本4】
結婚生活は謎だらけ
今まで読破してきた恋愛関連書籍は、5000冊以上!という恋愛本マイスター 藤本フランソワーズ先生が、コレさえ読めばあなたの恋が思い通りになり、恋愛を誰より深く語れる、と厳選した「恋愛必読本シリーズ」。
第4回目は、ウィリアム・グラッサー、カーリーン・グラッサー著『結婚の謎(ミステリー)』(アチーブメント出版)です。
この本をおすすめしたい人
彼とつい喧嘩してしまうことが増え、結婚生活に不満がある。結婚後も今の仲良し状態を続けることが出来るかどうか不安。中々恋愛が長続きしないので、まずは性格を直したい…などの悩みを抱える人
この本を一言でいうと
幸せで創造的な結婚関係とは、突き詰めて言うと、親友に対するのと同じようにあなたの伴侶と接しなさいということ
この本の入り口
どうでもいい男性、または仲のよい友達には言いたいことを抑え、いつも親切に優しく振舞うことが出来るのに、一番大切な人、愛する人に対しては「余計な一言」や「自分の本当の気持ち」を率直に言ってしまうのはなぜでしょう。
それを言えば相手が変わってくれると、心の底で考えているからなのではないでしょうか。
著者のひとりである、カーリーン・グラッサーさんは最初の結婚に失敗しています。
カーリーンさんは「間違った人と結婚した…」という思いでいっぱいでした。
「もし彼さえ変わってくれたら、私はもっと幸せになれるのに」と思っていたカーリーンさんにとって、結婚はまったくの謎(ミステリー)だったのです。
数えきれないほどの夫婦が、時間とお金を使って自分たちの失敗した結婚を取り戻す方法を見つけようとしています。人生相談、セラピーなど…しかしこういう類の助けの大半は役に立たないのだと本書は述べています。
なぜなら私たちが変えることができるのは自分たちだけだからです。
長期にわたる友情関係が成り立ちにくいのが、結婚関係。それは外的コントロールがどんな人間関係よりも結婚関係で広く実践されているからだと著者は主張します。
ですが「選択理論」を使い続けることによって、私たちの友情はますます強化され、友人関係は最も長く、最も強固なものとなっていくのです。
本書はグラッサー夫妻の提唱する「選択理論」によって結婚のを解き明かし、もっと満足できる現在を創るための方策について解説しているものです。
この本のトリセツ
グラッサー博士は、外的コントロールには「私たちが不幸なのは、私たちの責任ではない。私たちの苦痛の原因はいつでも、他人か、私たちにコントロールできない出来事か、もしくは、脳の器質的、科学的欠陥にある。」という考え方が前提にあるのだといいます。
「悪いのは私ではない。私を惨めな気持ちにしているのは、相手だ」と。
そして外的コントロールこそが結婚を破壊する元凶であり、使い続ける限り結婚が今以上に上手くいくことはないのだといいます。
博士は外的コントロールを使わずに「選択理論」を使うことを提唱します。私たちのすべての行動や感情、そして惨めささえも自ら選択しているというのです。
もっと良い気分になりたければ、人生の生き方を選択する方法を変えなければならない。
もし今の自分に満足できないならば、変えられるのは自分の「行為」や「思考」の選び方だけ。
それこそが変えなければならないことなのです。
私たちが最も適切な「行為」や「思考」を「選択」すれば、感情面では気分が良くなり、「生理反応」ももっと健康的になり、結婚関係はよくなります。
人はうまくやればやるほど気分が良くなります。それが人間の全ての進歩を生み出す原動力となっています。
例えばピラミッドが建てられた時、それは誰かが良い気分になったから。
つまりすべての進歩が人間のもっと気分が良くなりたい、気分が悪くなることは避けようという努力の結果なのです。
著者によると、私たちは遺伝子の中に組み込まれた「五つの基本的欲求」を満たそうとして努力するのだといいます。
その欲求とは「生存」、「愛と所属」、「力」、「自由」、そして「楽しみ」の欲求のこと。
著者は、自分のパートナーができるだけこの欲求充足をしやすくなるように行動しなければならないと主張します。
「選択理論」を実践すれば、結婚だけではなく、人間関係全般や幸福追求についてもおおいに役に立つのは間違いないでしょう。
ただ夫婦問題の大きな問題であるセックスや不倫については、多くのページが割かれているものの、明確な答えが出ていません。
悩んでいる登場人物に対して「あなたの求めているものは不可能です」「それなら自分のできる最善を尽くしなさい」という言葉で対処していますが、掘り下げ方が不足しているように感じました。
実践編
【この本のココがスゴイ!(1)】“批判”はダメ。ゼッタイ。どんな結婚でも息の根を止めてしまう「七つの致命的習慣」
外的コントロールを使いながら、不幸な結婚をしている人は、頻繁に一様の決まった行動をしています。これらの行動を著者は「七つの致命的習慣」と呼んでいます。
(前略)私たちのほとんど誰もが、自分や他人をどれだけ惨めにさせるかを考えないで、繰り返しこれらの行動を選択しているからです。これらの習慣的行動は(1)批判する、(2)責める、(3)文句を言う、(4)ガミガミ言う、(5)脅す、(6)罰する、(7)自分の思い通りにしようとしてほうびで釣る、の七つです。これらの習慣が致命的である理由は、時間さえ充分かければ、どんな結婚でもその息の根を止めてしまうことができるからです。(47ページより)
さらに著者は以下のように警告します。
「七つの致命的習慣」は全てにおいて有害ですが、中でも最初にあげた習慣、すなわち「批判する」ことが、最も破壊的です。この「批判する」ことだけで結婚関係は壊れてしまいます。これはあなたが、幸せな結婚を可能にしようとするなら、真っ先に避けなくてはならない行為です。もし結婚関係に愛情が幾ばくかでも残っているならば、破壊的な「七つの致命的習慣」を止めることは、死にかかっている結婚を生き返らせるのに大いに役立ちます。(71ページより)
これを読みショックを受けた人は、今からでも遅くはありません。まずは直ちに「批判する」ことを止めてみましょう。言葉には出さずとも批判的な態度をしてはいませんか。
また、「自分の思い通りにしようとしてほうびで釣る」にも要注意。例えば、自分の思い通りに動いて欲しいという意図からの「ホメ言葉」……下心がばれたらそれは逆効果なのです。
……ココ・シャネルは「美は武器である」と言いました。確かにそうでしょう。ですが、それと共に「批判は凶器である」と付け加えたいですね。
【この本のココがスゴイ!(2)】幸せな結婚を目指すなら、「愛と所属」、「自由」への欲求に留意せよ!
「5つの基本的欲求」のうち、男女関係において、特に大事なのはまず「愛と所属」、「自由」。
特に女性は「愛と所属」の欲求について失敗を犯しやすいのではないでしょうか。
(前略)どの国の女性であっても、「愛と所属の欲求」の違いによる、とても共通した問題が起こることがあります。それは「愛と所属の欲求」が強い女性が、自分のパートナーの「愛と所属の欲求」が弱いことを知ると、その違いのせいでさらにこの男性に惹かれ、挑戦されたようにさえ感じる場合です。女性は自分の強い「愛と所属の欲求」に駆り立てられて、男性を強く愛することで、男性のうちにある潜在的な愛の欲求を必ず引き出すことができると信じ込みます。時には成功して、もっと自分を愛するように、彼を文字通り教育する女性もいます。しかし多くの場合は、彼女の主張が強すぎるために、やり過ぎて失敗します。男性の自然な傾向を越えて、もっと自分を愛するように学んでもらうためには、長い時間と注意が必要なのです。急いではいけません。(64ページより)
また、結婚生活における「自由への欲求」は極めて困難な課題。概して「自由への欲求」の低い人は高い人に比べて、はるかに幸福な結婚をしているのだといいます。
「自由の欲求」の満たし方に問題がある場合には、お互いに話し合うことしか解決の方法がありません。両者が話し合って、ある程度の自由を認め合うことがなかったら、その結婚で幸せは望めません。(72ページより)
女性が男性に女性の愛し方を教えることは可能です。なぜなら、男性がこれを学べば、気分が良くなるからです。しかし男性に、自由を手放すと気分が良くなると納得してもらうことは、とても難しいのです。自由を手放すように求め過ぎると、苦痛が強過ぎて、男性は結婚には価値がないと思うようになるからです。(73ページより)
博士は助けを求めてきた夫婦に、しばしばこう尋ねます。
「どうして友だちには、夫婦がお互いにしているのと同じような対応をしないのですか」
すると、答えはいつも同じです。
「友人にそんなことをしたら、友人を失ってしまいます」(50ページより)
結婚の成功とは、夫妻がいかに上手に交渉するかにかかっています。そして交渉の成功は選択理論の基本理念「私たちが自分の思い通りにできるのは、自分自身だけである」を正しく理解しているかどうかで決まるのです。
【著者プロフィール】
ウィリアム・グラッサー
米国ウィリアム・グラッサー協会理事長、医学博士。1925年生まれ。ウエスタン・ケース・リザーブ大学医学部で博士号取得。精神医療の新しいアプローチ『現実療法』を著し、広く影響を与えると共に、精神科医として幅広い活動を続けている。公教育に関心を持ち、教育で上質の追求を試み、『クオリティ・スクール』を著した。
カーリーン・グラッサー
カーリーン・グラッサーはウィリアム・グラッサーの妻である。ウィリアム・グラッサー協会認定シニア・インストラクター。
結婚の謎(ミステリー)
ウィリアム グラッサー (著), カーリーン グラッサー (著)
藤本フランソワーズ (恋愛本マイスター)
京都の旧家出身の父から溺愛され、欲しい本は好きなだけ与えられて育つ。
元々恋愛論や恋愛小説は読んでいたが、失恋をきっかけに本格的に恋愛本に没頭する日々を送る。
敬虔なクリスチャンでもあり、生涯を賭けての目標は聖母マリアの愛を実践して生きること。
チャペルと大学図書館がお気に入りの場所。
■Blog:https://gothic-ribbon.me
■Instagram:https://www.instagram.com/fran_booklover_sapporo/
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