彼女は鴎外が帰国したのち、日本に鴎外を追いかけてきます。この時21歳。鴎外の母親、友人らの説得により帰国。数年経たずに鴎外は最初の結婚。鴎外の結婚の事実は渡欧していた友人よりエリーゼに知らされ、彼女は相当ショックを受けたそうです。
もしかしたら、エリーゼは鴎外が家族を説得してくれると信じて帰国したのかも。
彼女のようすを友人から聞いた鴎外は舞姫を執筆します。ただ、エリーゼは精神錯乱に陥ることもなく、帽子職人として働き続け、38歳で
結婚したようです。 鴎外は最初の結婚は3年も続かず、離婚。エリーゼと別れた後10年以上も彼女と文通を続けますが、40歳で再婚。
随分小説とは違っていて、驚きました。
小説で豊太郎は、エリスに別れるよう説得した相沢を恨みます。もちろん自分が悪い、ともいっていますけど。
豊太郎は、「自分は悪くない、周りが悪い」「自分の過去を物語のように語る男」ではありませんか。(舞姫は豊太郎の手記の形式ですが)
あらら、豊太郎ってば要注意人物だわ、避妊もしないし、と苦笑。
エリスは発狂しますが、ヒロインが日本まで追いかけてきたら、別のお話になっちゃいますね。儚げな美少女のイメージが崩れますし。
エリスが、鴎外にとって「そうあって欲しかったエリーゼ」なのか、当時のロマン的な流れに沿った人物設定なのかは分かりませんけれど。(バレエのジゼルとか、ゲーテのファウストもヒロインは発狂してます)
恋愛相談で、彼の話を疑いもせずに信じ、何か違和感があって相談する方がよくいらしゃいます。もしかしたらその「彼」も自分の都合のいいように作られた話を話しているのかもしれません。
鴎外の悲恋が舞姫になったように。
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