焼肉えびす、すもう八百長問題…ひと味違う博士版2011の5大ニュース(前)

焼肉えびす、すもう八百長問題…ひと味違う博士版2011の5大ニュース(前)
登場人物

渕上賢太郎(ふちがみ・けんたろう)博士
モテモテアカデミー及び夢を叶えるアカデミー主宰。数学、生命科学、行動経済学の博士号を持ち、人の心の動きを論理的に解明する。今年の漢字に「絆」は絶対に嫌だと思っていた。

山田君
博士を慕う冴えない32歳。博士の教えにより、今年ついに彼女をゲット。彼女いない歴=年齢のモテない人生に終止符を打った中堅IT企業のSE。

※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。


博士 山田君、2011年もあとわずかだな。

山田君 あっと言う間ですね。しかし今年は色々あったんじゃないですか?

博士 ほう。何があった?もう年末だから、2011年を振り返ってみるか。
まず、山田君の3大ニュースを教えてくれ。

山田君 う~ん、そうですね……。3位、地球の人口が70億を超える。2位、スティーブジョブズの逝去、1位生まれて初めて彼女ができた、ですね。

博士 山田君らしいチョイスだ。それだけ聞いても、今年が凄い年だと伝わるよ。

山田君 じゃあ、博士のも教えてください! 5大ニュースでお願いします。
まずは第5位!ドゥルルルルルル……。

博士 ツバが飛んでくる!!へたくそなドラムロールのマネはやめてくれ。
第5位はそうだな。ユッケ食中毒事件における「焼肉酒家えびす」経営会社社長の一連の謝罪会見だな。これは印象的だった。

山田君 あー!ありましたねえ。すっかり忘れてました。
最初の会見がすごかったんですよね。「どこでもやってる」「厚生労働省に生肉に関する定義はない」「日本国民の安全を考えるなら、ユッケを禁止にすればいい」とか言って逆ギレしまくり。「何開き直ってんだ」と大ヒンシュクだったんですよね。
それを受けて数日後、消え入りそうな声で頭を深々と下げたという……。あまりの変わり身の早さに呆れちゃいましたよ。

博士 そうだ。あの変貌ぶりは強烈だった。死者が出る事故を起こしておいて、あの逆ギレ会見、一転、涙の謝罪。あの顔は忘れられない。
人が死ぬ時、走馬灯の様に人生を振り返ると言うが、僕が死ぬ時に彼の顔も現れるに違いない。

山田君 その走馬灯、なんか嫌ですね。

博士 彼の行動は当時失笑されたり叩かれたりして、動画もネットに蔓延していたが、僕はある意味スゴイと思っている。

山田君 えぇっ、どこがですか?

博士 普通の人なら、保身のためごまかし続けようとしたり、言い訳をしようとしたりするはずだ。そして、さらに反感を買い、責められる。だが、あんなふうに頭を下げられては、それ以上責めにくいだろう。
この事件は、人が亡くなっているし、彼を擁護するつもりはない。しかし、あの一転した極端な謝罪は、最初の会見で作った傷を最小限に抑えるベストな方法だったと思う。

山田君 なるほど~。僕も失敗したら平謝りすることにします。

博士 山田君、君はまだ分かっていない。

山田君 え?

博士 冷静に彼の立場にたって考えてみて欲しい。ここではいつも言っている通り、何が正しくて正しくないかは置いておいて、人の心の動きだけを考えるんだ。

まず、彼の業界では、「どこでもやってる」「厚生労働省に生肉に関する定義はない」「日本国民の安全を考えるなら、ユッケを禁止にすればいい」という考えが常識だったに違いない。その後の報道をみてもそう感じる。

彼はこう思っているはずだ。
「俺は、たまたま運悪く、変な肉をつかまされ、事故を起こしてしまった」
彼にしてみれば、自分は被害者で、極めて理不尽と感じたはずだ。

だから最初の記者会見であのように発言してしまうのは、自然だったのだろう。

ところが、彼は何が最善か考えた。その結果があの謝罪だ。普通ならどうする? 多くの人は如何に自分が正しいかをなるべく誤解の無いように説明するだろう。また社員や、自分の会社を守るための発言をするにちがいない。

すごくないか?

山田君 すごいですね。では、4位に行きましょう!

博士 まてまてまて!! 世の中や相手が感情的になっているなら、まずは、その感情を沈静化させることを最重要課題にすべきだということだよ。

世の中の批判が強まる前に、謝って、あっさりと執着なく辞めてしまう。島田紳助も同様の手段をとったので、あまり騒がれていない。一方、東京電力のように、自分の立場や、社員や、会社を守る発言をし続けていると批判は続く。

山田君 じゃあ、4位お願いします。

博士 サクサク行くな。4位は大相撲の八百長問題の忘れ去られっぷりだな。

山田君 えっ、それって今年のことでしたっけ?

博士 今年の2月のことだよ。野球賭博問題で取り調べを受けていた力士の携帯メールから八百長が発覚したんだ。
八百長に関わったとされる十数名の力士が引退届をだし、届を出さなかった数名が解雇された。3月の春場所が中止、5月の夏場所も通常興行とは違う、「技量審査場所」として入場無料、NHKのテレビ中継もナシで行われたが、7月の名古屋場所以降は何事もなかったかのように通常の興行を行い、テレビ中継も行われている。

山田君 昨年のことのような気がしていました。発覚当時は連日テレビや新聞で騒がれてたのに……。

博士 3月に東日本大震災があったからな。
震災は京大入試のカンニング事件とか色々なものを吹っ飛ばしたが、大相撲の八百長事件はその中でも最も大きなものの一つだろう。そうとう根が深そうだし、どうやって決着をつけるのか、もう国技としての相撲は終わりじゃないかと思ったが……。うやむやのうちに通常興行に戻った点が印象深い。引退させられた力士たちは貧乏くじを引いた気分かもしれないな。

山田君 どこが4位の理由ですか?

博士 人間は何が大きな出来事や問題があったとき、そのことしか考えられないように作られている。たとえば、今大きな地震が起きれば、僕の話などどうでもよくなるだろう。

山田君 そうですね。

博士 もし山田君が、おしっこが漏れそうになれば、それで頭がいっぱいになる。

山田君 確かに。

博士 今回の地震で僕はそれを再認識した。
相撲の問題は当事者や関係者にとって重要だが、我々にとっては実はどうでも良い。相撲の問題を自分のことの様に憤慨していた人も多いと思うが、実はそういう娯楽にすぎない。
本当のことを言えば、我々が気にすべきことは、我々に直接関係のあることだけだ。あとはどんなニュースでも「娯楽」なんだよな。

山田君 じゃあ、3位は?

博士 大阪のW選挙だな。蓋を開けてみれば橋下氏率いる大阪維新の会の圧勝で終わったが、これは僕が日頃考えている「人の気持ちを短期的に強くつかむ魅力」のケーススタディのような件だった。

山田君 人の気持ちをつかむ……?

博士 以前にも少し話したが(モテの定理第3回 http://u-rennai.jp/contents/column/656 )、人の心を強くつかむものにはある特徴がある。

まずそれは、人が強い不満か長い不安の中にいて、解決できない問題の中にどっぷりと浸かっている必要がある。
そんな時、①シンプルで迷いがなく②もっともらしく③斬新この3つを持っている何かが現れると、それが人の気持ちをつかんでしまう。

例えば、流行するダイエット法は、たいていこの特徴を備えている。

ダイエットしたい人は、強い不満か長い不安の中にいて、解決できない問題にどっぷりと浸かっている。そこに、「巻くだけダイエット」という、バンド一本でできるシンプルさ、テレビや雑誌で取り上げられたというもっともらしさ、巻くだけという斬新さ。すべてを兼ね備えているものが出てきて流行るんだ。
ビリーズブートキャンプも、ロデオボーイも、納豆ダイエットも皆そうだ。①シンプルで迷いがなく②もっともらしく③斬新なんだよ。

山田君 なんだか懐かしい言葉がでてきますね。

博士 この法則は人にも当てはまる。勝間和代とかホリエモンとかを思い出して欲しい。
彼らはシンプルだ。そして迷いがない。たとえば、勝間和代の学歴や職歴は華々しく、当時いくつか出した本がベストセラーになり、彼女の言うことがもっともらしくなった。そして彼女の言うことが女性にとってとても斬新だったので、カツマーという例の「察する能力の低い」集団に火をつけた。ホリエモンも同じだ。江原さんも三輪さんも、細木数代も皆そうだ。出てきた当時、彼らは①シンプルで迷いがなく②もっともらしく③斬新だろ?

ヒットラーも、オバマも、小泉純一郎もそうだ。
彼らが善人かどうか、正しいか正しくないかは、ここではどうでも良い。人々が不安と不満に満ちている時、この3つを持った人が人々の気持ちをつかんでしまうんだよ。

橋下氏にもこの条件がそろっていた。「大阪を変える」というメッセージ、職員数と人件費をそれぞれ直ちに5%カットなど、素人にもわかるマニフェストは、至ってシンプルだ、彼の弁護士という権威や彼の語る言葉のもっともらしさ。そして「大阪都構想」という斬新さ。これが見事に大阪市民の心をつかんだわけだ。とてもわかりやすい事例で、ちょっとうれしくなってしまったよ。

山田君 そういえば、「ブランディング」に関する話でそんなことをききましたね。でも、この3つを備えたものって、短期的には人の心をつかむけど……。

博士 そうだ。すぐに飽きられる。先ほどダイエット方法が次々に生まれては消えていくように。勝間和代やホリエモンが飽きられたようにだ。そうならないためには、橋下氏がこれからどれだけ実績を上げられるかだろうな。

1年以内に目に見える実績がなければ、手のひらを返したように、冷めたりする。ダイエットのブームが去って行くのと同じだ。そのモノや人によって成果を得た一部の熱狂的な信者を残して大衆は去って行く。

山田君 じゃ、お次は2位に……。

博士 ちょっとまて、ここで個人的に超気になってる番外編を入れたい。

山田君 えっ、ここまでだって超個人的じゃないですか。今頃「焼肉えびす」って!

博士 僕には、彼をみんなが忘れていることが信じられないよ。
次回は番外編を含め、僕流5大ニュースの2位、1位を発表しよう。

<次回予告>
5大ニュースと番外編
グラドルのレベルが落ちた?2011年に表面化した「美人」の移動


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