セックスレスが理由で離婚はできる!?離婚するために「一番大事なこと」
離婚するなら、「一番大事なこと」って?
突然ですが問題です。
「夫からセックスを拒否されている場合、離婚できると思いますか?」
その答えは「YES」でもあり「NO」であるとも言えます。
通常は離婚理由になりにくいと言われるセックスレス。それゆえセックスレスを離婚事由にするには、セックスレスによって夫婦関係の継続が困難な状況に陥っている事情を裁判で認めてもらう必要があるため、「YES」とは言い切れないのが現状です。
しかしセックスレスを事由にした離婚が成立しないかといえばそれは間違いです。
■セックスレスが原因の離婚で必要なものとは?
セックスレスを事由にした離婚裁判で争われるのは、セックスレスによって夫婦関係の継続が困難な状況かどうかを客観的に判断できるか否かにかかっています。
セックス拒否の事実やその経緯については言った・言わないの水掛け論になること必至ですので、離婚したい側の主張が認められない可能性が高いといえるでしょう。
ではどうすればいいのか。必要なのはなんといっても「証拠」です。
では実際にどんな証拠を集めればいいのでしょうか。
まずは拒否されている事実や期間がわかる証拠が必要です。そして相手方の性交拒否に合理的な理由がないことを証明しなくてはなりません。
そのためには詳細な日記をつけたり、メールやLINE等のSNSでのやりとりを保存したり、性交に関する話し合いの会話を録音することが必要になってきます。
このように離婚を認めてもらうための「証拠集め」が重要なのはもちろんですが、双方離婚に同意しているケースにおいても「証拠集め」は必要です。
■なぜ離婚には証拠集めが必要なのか
たとえば離婚することは決まったものの、夫が不貞行為をしたか否かで争いがあり、慰謝料の額をいくらにするか決まっていない場合は、証拠のあるなしで形勢が大きく変化します。
また慰謝料が決定しても、実際には相手が慰謝料を払ってくれないということも多々あります。その際には裁判所で訴訟する必要がありますが、裁判所は証拠をもとに事実認定していきますので、「慰謝料○○万円を支払う約束をした」という事実を裏付ける書類や録音、同席者の証言といった証拠がなければならないのです。
離婚の際、証拠を集めることが大切であることがご理解いただけたかと思いますが、その理由は大きく分けて2つあります。
①滞りなく有利に離婚をするため
②離婚後、取り決め事項や条件をきちんと守る・守らせるため
■離婚の際にはさまざまな「証拠集め」が必要!
離婚に際して必要な証拠は、まずは離婚を成立させるための原因を証明するための証拠が挙げられます。
DV、不貞、セックスレス、性格の不一致、生死不明……とその原因によって必要とされる証拠も、また証拠の集め方も違ってくるでしょう。
また財産分与や慰謝料など金銭にまつわる証拠や親権や養育費など子育てに関する証拠など、離婚同意後にもさまざま証拠が必要となってきます。
どうせ離婚するなら、少しでも有利に進めたいと思うのは当然のこと。
これらの内容は、西村隆志法律事務所所属の3人の弁護士による共著『少しでも有利に離婚したいならきっちり証拠を集めなさい』(パブラボ)より抜粋しています。
書籍のタイトル通り、証拠集めがいかに大事かということが具体的な事例を通じ理解でき、またそれぞれのケースに対応した証拠集めのノウハウが詰まっており、実際に自分自身が離婚に向かう際に役立つ1冊となっています。
離婚はまさに「論より証拠」。証拠をしっかりつかみ、幸せな未来を自分自身の手で勝ち取りましょう。
『少しでも有利に離婚したいならきっちり証拠を集めなさい―幸せになるための別れ方』
西村隆志 , 山岡慎二 , 福光真紀
パブラボ
(吉田奈美/恋愛ユニバーシティ)
吉田奈美 / 恋愛ユニバーシティ (フリーランスライター)
フリーランスライター。女性誌を中心に、タレントインタビュー、恋愛企画、読み物企画、旅企画、料理企画などを担当。また書籍の企画・構成も行っている。B級裁判や恋愛にまつわる裁判傍聴ライターとしても活動しており、『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)を出版。フジテレビ『ホンマでっか!? TV』、テレビ東京『暴露ナイト』、関西テレビ『今週のスポットライト』、BSスカパー『ダラケ!』等、テレビ出演も。
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