【セルフケアと過去の傷】①婚活しているが結果が出ない

その悩みの本当の原因は?~セルフケアと過去の傷~ (第1回)



「正しい努力をすれば、願いは叶うと思います」
「正しい努力さえすれば、幸せになれます」

正しい努力を続けることが、目標達成のためには重要である

このサイトで恋愛カウンセリングをしているぐっどうぃる博士が言っていることです。
このことに、実は隠れた前提条件があるのではないかと思っています。
というのも、
正しい努力を続けているのに目標達成できない人
正しい努力の方法が分かっていても、そもそもそれを実行できない人
がいるようだからです。

例えば、私の友人の話です。
美人で性格もよく高望みもしていなくて、婚活も精力的に続けているのに結婚できていません。
端から見たら正しい努力をすでに数年続けているのに、結果が出ません。不思議に思っていました。
なにか足りないのでしょうか。

また別の人は、彼からの連絡が少ないことに悩み、このサイトで「沈黙」のことを知りました。
よし!私も沈黙しよう!と思ったものの、いろんな理由をつけてついメールしてしまいます。
メールが我慢できたときも、相手からの連絡がないことに精神不安定になってしまいます。
してはいけないと思いつつも結局メールをしてしまうか、ひどい情緒不安に陥るかの2択状態。

さらに別の人の話。
ぐっどうぃる博士の理論を使ってめでたく結婚。
優しく大事にしてくれるパートナーと結婚生活を送っています。
とくに大きな問題のない、むしろ幸せな結婚生活なのに、
なぜか自分からケンカをふっかけてしまうのです。
居心地のいい家庭を築きたいと思っているのに、口から出るのは言ってはいけないと思う言葉ばかり。
自分から幸せを壊そうとしてしまう。

いったい何が問題なのでしょうか?
正しい努力をして目標を達成するために足りないものは何でしょうか?
私が考える足りない条件とは、

その人はセルフケアができているか?

ということです。

このレポートでは、
「恋愛においてよく直面する悩みの本当の理由はなんだろう?」
「セルフケアをすることでその悩みが解消することがあるよ」
ということを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
申し遅れました。このレポートは恋愛ユニバーシティ学部生の「うみこ」がお送りします。
問題解決、とまではいきませんが、
いろいろ一緒に考えて、気づくことがあればいいなと思っています。





セルフケアと過去の傷



具体的な事例を見ていく前に、
まずはセルフケアをするとはどういうことか、ざっくり見てみましょう。

例えば彼がドタキャンの連絡をしてきたときに、
相手に怒りをぶつけて喧嘩に発展することもあれば、優しく対応できることもある。
同じアクシデントに対する同じ自分の反応なのに、そのときどきで違うことがある。
皆さんにも似たような経験があるのではないでしょうか。
この自分の反応の違いは、
そのとき自分が満たされている状態であるか、イライラして気持ちに余裕がない状態であるか
つまり、セルフケアができているかどうかによるものと考えられます。

書籍「サレンダードワイフ~賢い女は男を立てる~」(ローラ・ドイル著)には次のように書いてあります。

『まずセルフケアをきちんとしてからでないと男を立てることはできない。
女性が彼の習慣にイライラさせられるのは、セルフケアができていないことが原因である場合が非常に多い。
寝不足だったり、空腹だったり、どうしたらいいのかわからなくなっていたり、
ストレスに押しつぶされそうになっていれば、自分はもちろん誰に対しても優しくなれないものである。

限界を超えた状態でパートナーを立てることは、ほぼ不可能である。
相手を立てるとは、要するに相手の気持ちになって理解してあげることなので、
かなりの忍耐と集中力が必要である。』

『ではセルフケアをするとは、どういうことだろう?
それは、疲れてくたくたにならないようにすることである。
また、時間を見つけて散歩したり、ゆっくりお風呂に入ったり、
やることがたくさんあっても構わずに昼寝をすることである。
十分なセルフケアをするには、注意すべき点が2つある。
◆楽しいことをする
◆後でいい気分になれることをする』

『自分のために一日3つのことをやるとよい。
時間がないという人は、自分の心の余裕をつくるために、
やらずにすむことはないか、考えてみることである。』

『自分が幸せで、気持ちが安定していい気分でいるために必要なことは、
「わがまま」なんかではなく、自分だけでなく自分の大切な人々にとってもすばらしい贈り物になる』

いかがでしょうか。
ここに書いてあることに気をつけるだけでも、
多くのちょっとした悩みは解消されるのではないでしょうか。
もし何か悩みや問題が発生したときは、「セルフケアができているか?」ということを確かめてから
問題解決にとりかかることをお勧めします。

次に、上記のようなセルフケアもしているけどなぜかうまくいかない、という場合を考えてみましょう。
パートナーとの関係の中で、説明のつかない心の乱れが存在するとき、
その原因の90パーセントは、実は自分の過去に関係しているらしいのです。
このことは、「ベストパートナーになるために」(ジョン・グレイ著)に書いてあります。

あるささいな出来事が、
子供時代に同じようなことで激しく傷つけられた感覚を突然よみがえらせることがあるのです。
本来なら取るに足らないと見過ごすことが出来る程度の問題が、
過去の大きな傷を思い出す引き金となり、
傷口を大きく広げてしまうことがあるのです。

このような感情が湧きあがってきた理由は、「癒やされるため」です。
過去の傷という未解決で不安定な感情が、ようやく表面に出てきても安全だと感じられるようになったということなのです。
ネガティブな感情が理由もなく湧きあがってきたとき、
目の前の相手のせいでネガティブになってしまったと思いがちですが、
実はむしろ、そのことは、
相手から十分な愛情を受け取っていて、自分が相手を信頼しているという証拠でもあるのです。
パートナーとのささいな出来事は、抑圧されていた感情が表出することになったきっかけにすぎないのです。

パートナーから責められている、
パートナーが自分に対して反抗的だと感じる、
パートナーに怒りを感じる、
愛されていないと感じる、
このようなとき、パートナーからの直接の影響はたったの10パーセントで、
残り90パーセントは自分の過去がそう感じさせているのです。
このような現象が起こりうるということを、パートナーと良い関係を作っていくためにはぜひ知っておいていただきたいと思います。
このような感情を上手に処理することができれば、パートナーとの関係はより豊かに愛情深くなるでしょう。

この過去の傷から湧きあがる感情の処理についても、
自分の中に問題を抱えているという点から、
このレポートでは便宜的に「セルフケア」に含めてしまうことにします。

ネガティブな感情が自分の過去の傷に起因する場合、
今現在の状況とそれを切り離して考え、過去の傷に対しては別に対処するということが、
パートナーとよい関係を築くためにとても重要なのです。
もしこのことに気づかないままであれば、
現在のパートナーに原因がないのにパートナーを責めてしまい、
パートナーも責められることに納得できず、
また本当の原因ではないから責める本人もいつまでも満足できず、
2人の関係はどんどん壊れてしまうのです。

ところが困ったことに、ネガティブな感情の原因が過去にあるということに、
まず「気づく」ことが難しいのです。
過去に抑圧してきたネガティブな感情が湧き起こってきたとき、
それを今現在起こっている状況のために自分が感じている感情だと、ふつうは錯覚してしまうのです。

そこで、このレポートでは具体的な事例を見ながら、
過去の傷が現在の問題にどのように関わっていることがあるのか、一緒に考えてみたいと思います。
ここで挙げる例はあくまで例ですので、皆さんに直接当てはまることはないでしょう。
ですが、具体的な例を見て、こういうこともあるんだ~と知って、
もしかしたらこの感情は自分のなかにある過去の傷から来ているのかもしれない
と考えるきっかけになればいいなと思います。




事例1:M美の場合
<必死に婚活しているのに結果が出ない>





M美ちゃんは、美人でスレンダーな体型の、バリバリ仕事をしている仕事大好きな女性です。
仕事の話もしてくれますが、その仕事内容があまりにハイレベルすぎて私うみこはたまにびびっております。
ですが、それでいて気さくに話せる女性でもあります。漫画の話で盛り上がることもあるし、私のしょうもない話も喜んで聞いてくれます。仕事や生活の水準、女性としての魅力も、うみこは到底およばないお人なのですが、全くおごることもなく、いつも謙虚さを忘れず、うみこと仲良くしてくれるとってもステキな女性なのです。

そんなM美ちゃんは、3~4年ほど前から婚活を始めました。
最初の頃は合コンや友達の紹介をしてもらっている、と言っていました。
出会いの数は多そうな印象でした。
聞く度に、「こんな人と出会って、デートもしてみたよ」というエピソードが出てくるのですが、なかなか彼氏が出来ません。
「自分がいいと思う人は来てくれなくて、私に来てくれる人のことはあまりいいと思えない」というようなことを言っていました。
2年ほど前、彼女は不倫をしてしまいました。
とても久しぶりにできた彼氏で、恋愛できたことに少しほっとした、と言っていました。
ですが、不倫はいけないと彼女は苦しみ、1年もせずにお別れしたようでした。
ちなみにM美ちゃんが男性について語るときは、いつもちょっとだけ辛口になります。
「男なんてみんな浮気するよ」
「どうせ自分より頭のよくない可愛らしい女の子が好きなんでしょ」
という具合です。

M美ちゃんは、お世辞でなく美人です。
「美人を連れて行くよ」って男性に伝えておいても(M美ちゃんはやめてと嫌がりますが)、
「ほんとに美人だね~」と言われます。
そしてスタイルもいい。性格もいい。コミュニケーション能力も高い。仕事もできる。気遣いもできる。
私も、かなり頭がよくて仕事もできて人格も良い人じゃないとM美ちゃんとは合わないだろうな~と思ったので、
「ふつうの婚活よりもたくさんの人と会わないと、出会えないかもしれないね」、なんて言っていました。

不倫の彼ともお別れして、もっと婚活がんばる!と気合いを入れ直したM美ちゃん。
彼女はスカートをはかない主義だったのですが、ついにその主義も曲げて、婚活のときはスカートを履くようになりました。
親同士の知り合いともお見合いし、結婚相談所にも入会しました。
彼女の仕事はほんとうに忙しくて、繁忙期は連日徹夜が続くほどで、婚活どころではありません。
今年は繁忙期がくるまえに、3ヶ月間、婚活を優先してがんばる!と宣言しました。

その期間が終了したM美ちゃんに「良い人いたー?」と聞いてみたところ、結果は・・・
「結婚自体はしたいと思うんだけど、誰一人として、この人と一緒にいたいと思えないんだよ・・・。
それどころかまた会いたいとさえ思わない。
デートする時間も苦痛で、それなら仕事したいと思ってしまう。
3ヶ月で200人くらいのプロフィールみて、30人くらいの人と会ったんだけど。」

なんということでしょう。
女性としての魅力も十分にあり、
聞いたところ高望みもしていないようだし、
(例えば、収入は求めないし身長も自分より少し高ければいい=167cm以上)
具体的行動もたくさんしているようなのに、
どうして相手が見つからないのでしょう。
うみこはM美ちゃんを呼び出して直接聞いてみることにしました。


うみこ(以下う)「M美ちゃん・・・。結婚、ほんとにしたいの?」
M美(以下M)「うん、結婚はしたいと思ってるよ。」

う:「そっかー・・・。本人もそう言ってるし、実際に行動してるし、とは思うんだけど、私、実はM美ちゃん結婚したくないんじゃないかと感じるんだよね~。」
M:「結婚・・・したいと思ってるけど・・・したくないのかな?」

う:「M美ちゃんの結婚に対するイメージってどんな感じ? どんな結婚生活なら幸せ!って思う? 結婚したらどんな気分だと思う?
M:「うーん・・・。一番のイメージは、自分のアイデンティティを失うこと。それから、将来のために今を諦めること。他人のために時間を使わなきゃいけないこと。それから・・・」

う:「・・・(っええ~~!!予想以上だよ!!そんな結婚、私も絶対したくないよ?!)」
M:「あっれー?ネガティブだねぇ?その次にねー、子供が持てるかもしれないこと。一見幸せそうに見えるかもしれないこと。親が納得すること、かな。」

う:「・・・えっと、予想以上だった。」
M:「うーん、やっぱりあまりいいイメージないんだよね。仕事は辛いことが多いけど、人の役に立てるかもしれないし、いろんなこと吸収できるし、人に頼ることなく生活できるし、誰かたった一人の人と一緒にいることで、仕事以上の満足を得られるのかな?ってすごく疑問に思う。」

う:「うん、M美ちゃんは結婚したくないんだと思うよ。」
M:「結婚・・・しなきゃいけないと思ってる・・・」

う:「本当はしたくないけど、しなきゃいけないと思ってるんだね?」
M:「親とか・・・世間とか・・・」

う:「無意識っていうのはね、表面の意識で思ってることよりもずっと強いんだよ。その無意識が、結婚したくない、いや、結婚なんか絶対するもんか、くらいのことを思ってる気がするなぁ。今の時代はさ、結婚しなくてもいい時代だから、結婚したくないならしなくてもいいんじゃないかな?」
M:「うん、仕事をしていられれば満足かもしれない。でも・・・、それでいいのかな?って思う自分もいるんだ。」

う:「M美ちゃんのお父さんとお母さんてどんな感じだったの?お母さんはたしか専業主婦でふんわりした感じの人って言ってたよね?お父さんの話あまり聞いたことないかも。」
M:「父はねぇ・・・。とにかく自分のことしか考えられない人で、気遣いとか全くできない人だった。いつも威張ってて、家族に興味のない人だった。」

う:「あれ?そうなんだ。M美ちゃんはすごく気遣いできるのにね。」
M:「父のような人は大嫌いだから。」

う:「そうだったんだー。で、お母さんの方は?」
M:「うーん、途中から仕事も始めて外に出るようにはなったんだけど、典型的な専業主婦で、視野がとにかく狭くて、自分の家庭のなかのことにしか興味がないような人だった。結婚ていうのは能力のない主婦でも守られる、そういう女性に都合が良い制度だとも思う。」

う:「ほぉ~。自分はお母さんのようには・・・」
M:「なりたくない!!」

う:「昔さー、気遣いできないのがいやだっていって別れた彼氏いたね・・・。」
M:「そうだね。気遣いできない人嫌いだから。」

う:「専業主婦もけっこう毛嫌いしてたよね。それから、M美ちゃんて、どんなにいろいろ調べて理解してても、いやまだ私なんかにはわかってないことがたくさんある、ってよく言ってるよね。周りから視野が狭いと思われることを避けようとしてるんだね。」
M:「専業主婦で視野の広い人なんて見たことないんだけど。」(※M美ちゃんの思い込みです。専業主婦の人ごめんなさい!)

う:「お母さんのようになりたくなくて、お父さんには怒りを感じてて、その気持ちが満足できてないのかもしれないね。」
M:「そうなのかなぁ。けっこう昔も文句言ってたけどなぁ。」

う:「たぶんだけど、なにかもっと本当の気持ちが隠れてるかもしれないよ。感情ってね、時間の流れが関係ないんだよ。10歳のときに押し込めた感情があったとしたら、その気持ちはずーっとそのままそこにあるんだよ。そして、外に出たい出たいと思ってる。」
M:「だから、男ってヤツはどうせ・・・とか言いたくなっちゃうってこと?」

う:「そうかもしれないね。男ってヤツは!って不満を言いたいがために、そう言える環境を自分で作っちゃうこともあるみたいだよ。つまりM美ちゃんの場合は、そういう人ばかり選んでしまうとかね。でね、その抑圧された気持ちはどうやったら消化できるかというと、ただその気持ちに気づいて十分に感じてあげるだけでいいんだよ。」
M:「そうなんだ。」

う:「M美ちゃんのなかに、いつのどんな感情が抑圧されてるのかはまだ分からないけど、仕事一筋の人生に少しでも引っかかりを感じてるなら、今自分が進もうとしている道と、M美ちゃんが本当に求めるものは違うのかもしれないね。」
M:「本当は、柔らかい人間になりたいと思ってるんだ。実際は全然違うけど。」

う:「本当に心の底から結婚したくないならしなくていいと思うけど、本当は愛情のある結婚生活をしたいという気持ちが隠れてるなら、その障害になってる気持ちがなんなのか、分かるといいね。」
M:「うん、よく分からないけど、なにかはある気がしてきたよ。」

う:「M美ちゃんだったら、本当に結婚しようと思ったら、絶対できると思うもん!」
M:「ありがとう♪」


結局、原因ははっきりとは分からず、解決もしていませんが、
M美ちゃんが結婚できない原因が、M美ちゃんの心の中にもなにかあるんじゃないかということを感じ取っていただけたでしょうか?
うみこの密かな感想としては、M美ちゃんの、
「結婚したら妻は夫の言いなりにならなければならない」
「今の仕事は続けられない」(妻は家庭を優先しなければいけない)
「誠実で、自分の意見を尊重してくれる男性なんていない」
などの思い込みが何らかの形で解消して、
「結婚したって自分は自分らしくいられるし、仕事も続けていいし、それを夫は応援してくれる、浮気もせず大事にしてくれる」、という幸せな結婚も存在するんだと思えるようになったら、
すんなり結婚できるのではないかな~などと妄想しております。


ご自分に置き換えて考えるときは、
「~について自分はどう感じるだろう?」
「私は何を得たくて何を避けたいんだろう?」
「~は自分にどんな影響を与えるだろう?」
など、質問内容はなんでもよいですが、
自分に質問してみる形で考えると、自分の考えや気持ちを引き出しやすいと思います。

第1回は、長いレポートになってしまいました。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
このレポートは金曜更新予定です。
次回は、事例2:K子の場合<メール・返信が来ないことが耐えられない>です。
では、第2回でまたお会いしましょう。

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