「本能で生きる」ってどういうこと?”子宮系”について知るなら読むべき本【恋愛必読本5】
“子宮系女子”って実は何?
今まであらゆる恋愛関連書籍を、5000冊以上読んできた恋愛本マイスター 藤本フランソワーズ先生。
今回は、恋愛本において外せない1ジャンルとして「子宮系」という言葉を世間に浸透させ、賛否両論を巻き起こした 子宮委員長はる著『恋と愛の進化論』(河出書房新社)をご紹介します。
「恋愛必読本シリーズ」第5回目、始まります。
この本をおすすめしたい人
良い彼女・良い妻・良い母親などの役割を演じることに疲れた、自己肯定感が低く他人に甘えるのが苦手、……などの悩みを抱える人。スピリチュアル的な考えに興味があり、いっそ自分も教祖になってみたい人。世間を一部騒がせた「子宮系女子」について知りたい人
この本を一言でいうと
本能で生きるなんて、人に迷惑をかけるし、良くないことというイメージを持つかもしれないけど、じつはそのほうが健全。子宮の衝動に従って、心が動いて、脳に上がれば、子宮の声を言語化した素晴らしい思考が出る。いちいち自分を管理するから悩みが出るのであって、考えないで生きることができれば、大きな奇跡を生む
この本の入り口
恋愛や結婚生活で、誰もが持つパートナーに対する悩み……。
頼りなくてイライラする、幸せな結婚をしたのに満たされない。もっと優しい人だったら、もっと気が利く人だったら、もっと自分のことを見てくれる人だったら……。
だがそのような悩みに対して、はるさんはパートナーこそが自分の投影だと主張。今の自分の現状が具現化してあらわれた相手、それがパートナーだといいます。
良くも悪くも、本当の自分を引き出すために存在しているのが今の相手なのです。
だから相手に対して不満がある場合は自分を責めるのではなく、イヤなものはイヤだとはっきり言うことが必要なのだというのです。
自分に正直に、相手に合わせることはしない。
本当の自分を生きるために、今のパートナーが現れたのです。
この本のトリセツ
丹田とは気が集まる場所のことであり、一般的にはおへその下にあるイメージ。
ですが、実は人間には下丹田(へそ下三寸)、中丹田(胸のあたり)、上丹田(眉間の奥)という、三つの丹田がるのだといいます。
はるさんが主張する「子宮メソッド」によると、下丹田は子宮で体のワクワクを司る場所、中丹田はハートで心のワクワクを司る場所、上丹田は頭で思考のワクワクを司る場所とのこと。
この3つのワクワクは何をさしているのかというと、「性感」つまり「反応ポイント」。
体のワクワクは、「性感帯・性癖」のこと。心のワクワクは、「趣味趣向」のこと。思考のワクワクは、「理想・未来」のこと。まずはこの三つの性感に気づくと好きなものに出会える確率が高まり、自分のもって生まれた使命にたどりつけるといいます。
また、はるさんは、愛されるためには、自己肯定感という根が必要なのだといいます。自己肯定感というのは、どんなときも自分の力を信じていける力のこと。
自己肯定感が金脈や人脈や情報源と合体したとき、経済力、仕事力、恋愛力、夫婦力、家族力、健康力、美力など、人生を豊かにしてくれるありとあらゆる力が産み出されていくのだというのです。
そのためにはどうしたらいいのでしょうか。
はるさんは、女性のパワーを発揮するためには、自分の子宮に集中することだといいます。
子宮と一心同体になり、外からの評価ではなく、自身の感覚に一喜一憂することが大切だというのです。
まわりの声は一切聴かず、何をするにも子宮の声だけを聴き続けることで、あらゆる物事は繁栄していくのだと、はるさんは主張。すべての感情、考えは子宮から発せられるものであり、まわりの人はすべて自分が産み出した残像にすぎないというのです。
また、「夫に尽くす妻」になるには「身勝手な妻」でいることだそう。
身勝手な妻というのは、自分に尽くすセンスや感度が抜群な妻のこと。自分で勝手にご機嫌になっている妻を見て、夫が「俺が幸せにした」と錯覚し、妻も自然によき夫に愛されていると勘違いするというのです。
パートナーシップの世界とは、すべてが錯覚、妄想、勘違い。
事実はどうでもいい、都合良く見ることが大事。
「まわりからどう思われるかわからない」「社会や世間になんて言われるかわからない」……そんな考えが浮かんできたとしても、それは全て空想。
本音で生きる覚悟ができたとき、幸せなパートナーシップを築けるようになるのです。
言いたいことはメスナイフで一撃。
メスナイフとは、女が本音をなんの邪念もなくスパッと伝えるということ。相手を傷つけないようにメスナイフを使うと、遠回しに言うことになるので切れ味が悪いといいます。一撃で終わらせることが大切であり、相手を鋭く斬った分、必ず自分自身も気持ちよく斬られるのだそう。
確かに、歯に衣着せぬ本音を話す人はかっこいい。周りを顧みず、自分だけに集中することが出来たら、どんなに楽なことでしょう。
だが本音を話し自分だけに集中し「身勝手」に生きることに対する、周囲からの圧力に耐えられる人はそう多くはいないはず。はるさんはタブーの恋についても、「奥さんの気持ちを考えたことがあるんですか?」という言葉に対し「あんたの気持ちなんか、知ったこっちゃないわ!」と言い放ちます。
このような過激な言葉には強烈なカリスマ性があり、多くの信奉者を集めることでしょう。
ただし、イエス・キリストが隣人愛を唱えたのに対し、はるさんが唱えるのは徹底した自己愛。
そのことを考慮しながらこの本に向かいたいもの。
実践編
【この本のココがスゴイ!(1)】「私ってヘンな人」…オリジナルさ全開こそが出会いのカギ!
恋活、婚活している人達から最も多く聞く悩みのひとつ。それは、出会いがないということ。
だがはるさんは、出会いがないのは「当たり障りなく生きている」からだといいます。
無難に万人受けを狙った方が、幅広くアピール出来そうに感じるのだが、はるさんはオリジナルを貫けと主張するのです。
「こんなことをしたり、考えたりしているのは、私だけじゃないかしら?」と、隠したくなるようなヘンな部分って、誰でもあると思います。
たとえば、性格が悪いとか、みんなに公開できないような趣味があるとか、なぜか妻子持ちを好きになってしまうとか、セックスが大好きとか……。
そこを認めて、「私ってヘンな人」というオリジナルを貫いたほうが、異性から発見されやすいのです。
出会いを探そうと、相手の条件に合わせて自分から会いに行く人もいますが、そんなことをしていると絶対に見つけてもらえません。
何も隠すものがない私は、座っているだけで相手の気を引くことができます(笑)。ヘンな人を隠さず貫いている私は決して埋もれないから、そのときどきにドラマチックなパートナーがいたんだと思うんです。(034ページより)
自分のヘンだと感じている部分を出せばだすほど、出会いに恵まれるというのです。
確かに、ローカルな出会いが中心だった過去と比べ、今はSNSや婚活サイト、出会い系サイトなどを利用することが増えました。便利になった反面、膨大な数のライバルがひしめいている中、いかに光るか、他より自分を際立たせるかが重要になりました。
自分の中の一番「ヘンな部分」を個性に変換し、魅力として上手にアピール出来るかどうか。これは今後ますます重要になるでしょう。
【この本のココがスゴイ!(2)】合わなければ何回でも結婚すればいい。結婚にこだわり過ぎる必要はなし!
結婚には二つの種類があるといいます。ひとつは「誰と繁栄したいか」という結婚。もうひとつは「誰と死にたいか」という結魂(けっこん)。
子育てや家庭、そして生活を繁栄させることが結婚。対して結魂とは40歳以降にする結婚で、死を迎えるときに一緒にいたい人と魂同士が結ばれる結婚のこと。
回数や人数で学ぶ人もいれば、たった一人の相手が自分の変化によってどんどん変わっていくこともあります。
私は、合わなければ何回でも結婚すればいいと思うのです。何回でも結婚できる人は、結婚を恋愛のように軽やかに感じているはず。それも個性ですよね。最後に結魂できたら、全部オッケーになりますから。
それから、今恋愛や結婚に興味のない人は、ジジババになってから結魂したっていいわけだし、結婚・結魂しないなら、大切なものが“自分だった”と言う話になるだけです。
そう考えると、「結婚」にこだわりすぎる必要は、全くありません。
何度でも結婚していい、またしなくてもいいというはるさんの主張。それは周囲からのプレッシャーや年齢などによるする劣等感で心が折れそうになっている女性にとって、とても嬉しい言葉。
まずは自分に尽くして自分を幸せにすること。
女性は相手や周囲ではなく、自分に集中することで自由になれるのです。
【著者プロフィール】
1985年、青森県生まれ。株式会社あとりえ林檎代表取締役。恋愛・性愛アドバイザー。性への好奇心から風俗の世界に興味を持ち、専門学校・会社員時代を通して風俗で働く。また、周囲の子宮に関するトラブルや性の悩みの多さに関心を持ち、自分自身の癒しと同時進行で、2011年から現役風俗嬢をブログで公言しながら、性に関する講演活動を始める。性への欲求と徹底的に向き合うことで、「本当の自分」を生きる覚悟を決める。
性愛のタブーのなかで発見したメッセージやリアルタイムを綴るブログは1カ月450万アクセスあり、年齢問わず、多くの女性を魅了。2018年12月、子宮の声に従い、7年間活動し続けてきた「子宮委員長はる」を引退し、現在は、長崎県壱岐島で、本名、八木さやとして第二の人生を謳歌している。著書に『願いはすべて、子宮が叶える』『お金は、子宮が引き寄せる』(河出書房新社)など。
藤本フランソワーズ (恋愛本マイスター)
京都の旧家出身の父から溺愛され、欲しい本は好きなだけ与えられて育つ。
元々恋愛論や恋愛小説は読んでいたが、失恋をきっかけに本格的に恋愛本に没頭する日々を送る。
敬虔なクリスチャンでもあり、生涯を賭けての目標は聖母マリアの愛を実践して生きること。
チャペルと大学図書館がお気に入りの場所。
■Blog:https://gothic-ribbon.me
■Instagram:https://www.instagram.com/fran_booklover_sapporo/
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