「婚活」で結婚できる女性、できない女性の違いとは?【恋愛必読本12】
婚活を成功させるには?
恋愛関連書籍を5000冊以上読み込んできた藤本フランソワーズ先生が、コレさえ読めばあなたの恋が思い通りになり、恋愛を誰より深く語れる、と厳選した「恋愛必読本シリーズ」。
第12回目は、山田昌弘,白河桃子著『「婚活」症候群』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
この本をおすすめしたい人
婚活を始めたのはいいけれど、ネットに溢れている色々な婚活テクに振り回されて悩んでいる人、結局、どういう女性が結婚出来るのか知りたい人……そんな方に特におすすめ
この本をひと言で言うと
先の見えないこんな時代にこそ、読んで欲しい本
この本がおすすめの理由
「婚活」。
この誰もが普通に使っている言葉を最初に作ったのが、社会学者の山田昌弘さんとジャーナリストの白河桃子さんです。今は昭和の昔と違い、結婚活動、略して「婚活」をしなければ、結婚がしにくくなっている時代に入った、という共通認識から、二人は『婚活時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2008年)を発表。それから5年後に書かれたのがこの本です。
「婚活」命名後、五年の間に、リーマン・ショック(二〇〇八年)、政権交代(二〇〇九年)、東日本大震災(二〇一一年)そして、政権再交代(二〇一二年)と日本の社会を大きく変える出来事がいくつも起こりました。そして、私たちが『「婚活」時代』を描いたことで、婚活ブームになりました(山田昌弘)。
婚活ブームになってから、結婚できないと言う不安が高まり、また婚活が恥ずかしいものではなくなるといった変化がありました。その一方で著者が意図していなかった結果も生じました。
その一つが「高収入の男性が少数なら、早くつかまえなければ」という意識が、むしろ強まったということ。
若者の経済力低下は、この五年で改善していません。リーマン・ショックの影響もあるのでしょう。大きく悪化しているわけではないにしろ、男女とも若者の正社員率は低下し続けています(山田)。
結婚と経済は連動しており、不景気には結婚が増えません。その中で「安定収入の男性をつかまえるため」と誤解された婚活ブームはどんどん加速していきます(白河桃子)。
リーマン・ショックを超える深刻な状況と言われている今、これから私たちは婚活・恋活にどう取り組めばいいのでしょうか。この本から、ヒントを探ってみました。
【この本のココがスゴイ!(1)】これから婚活する女性が心に刻んで欲しいこと
恋の駆け引きは出会ってから、そしてデートが始まってから、いくらでも勉強出来ます。婚活テクニックの前に、しっかりとした土台作りが必要です。以下は白河桃子さんが提言する、「うまくいく婚活への意識開発開拓女性編」。まずは一読して欲しいです。
・結婚しても妻に働いてほしいと思う男性は、八四% (マイナビニュース調べ 二〇一三年六月)。
・妻の年収が自分より上でもいいと思う男性は、五割以上(エキサイト恋愛結婚調べ)。
・バリキャリでもゆるキャリでも、一生働き続ける自活女子になる。
・自分の年収+相手の年収=年収合算夫婦を目指す。
・年上だけでなく年下もターゲットに(今や四組に一組が年下夫)。
・ 三五歳以下で家庭科をやった男性には、ワークライフバランス男子が多い。
・「引っぱっていってくれる男性」「自然な出会い」「出産したら仕事は一時お休み」を求める女性が今、一番結婚に遠い。
・女子力は必要だが、自分磨きの投資を「男で回収しよう」と思わないこと。
・生まれついてのイクメンはいない。誉めて育てる。
これを読んで少しがっかりしてしまう女性も、いると思います。ですが、彼と『ゼクシィ』を買ってルンルンするためには、これくらいの意識改革が必要なのです。
前述の通り、この本はリーマン・ショック後、安定を求めて婚活が過熱した時期に書かれています。だから今の時代に改めて読むのには、ちょうど良いはず。
【この本のココがスゴイ!(2)】婚活の権威(オーソリティ)達が導きだした結論とは
山田昌弘さんは「日本において、男女交際が不活発であることがさまざまな問題を引き起こしている」、さらに「恋愛より結婚、恋人より結婚相手という意識は、結局結婚を少なくしているように思えます。それは、男女とも、付き合う前にデータで判別してしまうからです。」と述べています。
白河桃子さんも、結婚の前にまずは「恋愛」だといいます。
(前略)『「婚活」時代』が誤解されたことの一つは、とにかく結婚するということがクローズアップされたことです。その結果、恋愛せずに結婚しようとする人がたくさん出てしまった。でもそれって実は遠回りではないでしょうか?
熱烈な大恋愛ではなくても、心の部分が動かないと結婚はできないと思います(白河)。
白河さんはぐっどうぃる博士と対談した時のことを書いています。
恋愛カウンセラーのぐっどうぃる博士と対談した時、たくさん結婚させることのできるお見合いおばさんは、あの手この手で二人を惚れさせる人だと言っていました。わたしもいろいろな結婚相談所のカウンセラーの話を聞きますが、一番結婚しやすい人は「美人」でも「お金持ち」でもなく、「惚れっぽい人」だそうです。(白河、傍線;筆者)。
やはり、という結論です。確かに、周囲でも婚活デートを楽しんでる女性が結果を出しています。また、すぐ目がハートマークになっちゃう女性の方がかわいく感じるし、応援したくもなります。
まずは勇気を持って、好きになってみることから始めてみませんか?
この本のまとめ
最後に厳しいひとことを。
年収や職業、学歴が問われる男性と違い、女性はスペックとは関係なく、今まで彼氏がいない人も、正社員じゃなくても、婚活していれば彼氏を作るチャンスが出来ます。安定した収入の、結婚向けの男性から選ばれる可能性があるわけです。
しかし、可能性は高まるが、百%ではない、いや、五〇%もないわけです。成功する人もいれば、失敗する人も出てきます。その結果、可能性はあるが、成果が保障されない活動を続けていくことに疲れてしまう(山田、傍線;筆者)。
「『チャンスがあるのでがんばってしまう女性』が、『婚活疲れ』に陥ってしまいやすいのです。」と山田さんはいいます。
婚活疲れに解決策はあるのでしょうか。
様々な婚活本が述べている婚活の結論は二つに集約され、それは「女らしくしろ」と「条件を下げろ」ということだと白河さんは述べています。
……魅力には格差や不平等があるのが現実です。
自分を客観的に見つめる。信用できる周囲の人の意見を聞く。実績のある専門家のアドバイスを受ける。そのような努力を続けても、必ず実を結ぶとは限らないのが婚活です。そこまでして、なお結婚したいですか?
自分に何度も問いかけて、それでも「イエス」と答える覚悟があるのなら、たぶん、だいじょうぶ。
藤本フランソワーズ (恋愛本マイスター)
京都の旧家出身の父から溺愛され、欲しい本は好きなだけ与えられて育つ。
元々恋愛論や恋愛小説は読んでいたが、失恋をきっかけに本格的に恋愛本に没頭する日々を送る。
敬虔なクリスチャンでもあり、生涯を賭けての目標は聖母マリアの愛を実践して生きること。
チャペルと大学図書館がお気に入りの場所。
■Blog:https://gothic-ribbon.me
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