別れさせ屋

公開:2021-10-31 17:31

投稿者:三郷 聖美

 

別れさせ屋の工作員になったきっかけの話②


※これは以前にも掲載した内容の再掲です。





それから家に帰り寝て起きると、一度収まった絶望感がまた襲ってきて、布団の中で涙が止まらず、食事も食べられないような状態が一週間ほど続いた。


お店にはしばらく休みたいと連絡を入れ、食事の時だけ起き上がり、あとはずっと寝ている状態だった。


二週間ほど経ったあと、まだ思い出すと悲しくてやりきれない感情にはなるものの、私はどうしてこうなってしまったのか?何がいけなかったのか?


を探すために必死にいろいろな本やネットの文章を読み漁るようになった。


これは私のケースとちょっと違う、これもちょっと違うけど少し重なる部分もある…など一日中ネットを見ていた。


それから自分の持論を誰かに聞いてほしくて、友達全員に話を聞いてもらい、意見を求めた。


けれど、もっと深く考えて考えての意見がほしいのに周りからは通り一遍の浅い意見しか得られず、「そもそも付き合ってない相手だし既婚者だし、どうなりたかったの?」と言われたりしていや、それはわかっているんだけど…どうしてこうなったのか知りたい…どうしても相手が何を考えているのか知りたい…と思った私はもはや自分の疑問の答えを出せるレベルの人が周りにいない、これは自分でどうにかしないといけないと考えるようになった。





どうにかしないといけない上に、私は当時ダブルワークをしていたが、昼の仕事も体調不良を理由に休んだままやめてしまったため完全無職だった。


仕事なんてしばらくやる気にならないけど、せっかく何もやることがないんだから自分が一番したいことをしようと考えていた。


海外に行きたいな、とかいろいろ出てきましたが、やはり一番何がしたいかと言われたら、そのお客さんにまた会いたいという気持ちが浮かんできた。





無職になり自分が一番何を求めているのか考えた結果、やはり好きだったそのお客さんに会いたいという一文が頭の中に浮かんできた。


ただ実際にもうラインをして連絡を取ったり自力で会える状態じゃないし、今現在私と会わなくなって何してるんだろう?毎日どうやって過ごしているのか知りたいと思った。


毎日何をしているか知る方法…そこで私は考えた。





「自分で会社を見に行こう」





幸い会社の住所はわかっていたので、自分で会社の住所に行き、見に行った。


一応目立たないような服装にして、事務所の向かいの道路から隠れて覗いていると、車が事務所に入ってきて、男性が下りてきたのが見えた。


久しぶりに遠くからでも見た彼は本当にかっこよく、近寄りたい気持ちをぐっとこらえてただ見ていた。


その後、一旦事務所の中に入ったものの、すぐにまた出てきて車に乗ってどこかに行ってしまった。


車に乗られてしまっては私は動向が掴めないな…と思った私は自分で尾行するために車の免許を取るべく、すぐに教習所に入所した。


ただし教習所に通ってもすぐに免許が取れるわけではなく、もっと即効性がある彼の毎日を探る方法を考えていた。





そこで浮かんだのが「探偵に依頼しよう」だった。





決めたらすぐに実行に移す私はネットでまずは探偵のことを調べ始めた。


浮気調査や人探しなどを謳っているところがほとんどで、それを見ながら「私の依頼ってそもそも受けてもらえるのか??」という疑問が浮かんでくるようになった。


そこで私は「好きな人 会いたい 探偵」などというキーワードで検索をしてみるようになった。


すると、思わぬ検索結果が出てきた。





それが「別れさせ屋」だった。





別れさせ屋????と思った私は即効そのサイトにアクセスした。


そこは某業者の公式サイトで、別れさせ屋のサービスに関して説明が書いてあった。


「好きな人に奥さんがいるけど諦められないあなた」


「元恋人ともう会えなくなってしまったけど復縁したいあなた」


「電車で見かける名前も知らない方を好きになってしまったあなた」


「私たちはこのような悩みを持つあなたのお力になります!」


この説明を読んでいて、もうすでに心を掴まれてしまっていた私は、そのサイトのすべてのページを漁るように読んだ。


そして隅々まで見ているとこんな表記を見つけた。





「工作員募集」





そこをクリックすると、実際にその工作業務を追行するための工作員を募集しているという募集要項が書かれているページだった。


何をするのかなどの具体的なことは一切かかれておらず、


・20歳~45歳程度までの男女


・容姿端麗な方優遇


・水商売、風俗、モデルなどの経験者優遇


依頼者の方の恋愛を成就させるためのお手伝いにあなたの魅力を生かしませんか?


詳細は面接でお話しさせていただきますのでまずはご連絡をお待ちしております。





と書いてあった。





「工作員になって技術を得れば、自分で好きな人に工作をかけに行けるじゃん!!決めた!私工作員になる!」





そしてすぐに求人用のメールアドレスに連絡をした。


しかし一番最初に見つけた業者の求人メールには返事がなく、どうしても工作員になりたいと思った私は「別れさせ屋 工作員募集」などのキーワードで出てきた業者に片っ端からメールを送った。


今より数年前は別れさせ屋の業者数も今より少ない上になかなか検索に引っかからないところが多く、探すこと自体が大変だった。


返信がない業者ももちろん多かったが、すぐに5社ほどから連絡があり、面接に来てほしいということを言われた。


私はすぐにでも仕事がしたかったため、翌日にはその中の1社に面接に行くと返事をした。


そもそも何をするのかも具体的にわからない状態で行ったが、最初の業者は所謂「何でも屋」的な会社で、恋愛絡みの仕事はそこまで多くないと言われた。


仕事があったら連絡しますと言われたが今日現在まで連絡が来たことはない。





そして、次の一社の面接に行った。


そこは今でも別れさせ屋業者として存在している業者で、打ちっぱなしのコンクリートのビルが空気を鋭くしているような雰囲気の会社だった。


私を面接してくれた方はベテランの案件担当者の男性の方で「ぶっちゃけどこまでできますか?」と開口一番に聞かれた。


私はその質問を受けてそもそもどこまででできることが求められるのだろうと不安になった。


やはり接する相手は男性で、絶対に性行為を行うことが必要なのだろうか…と考えていると「風俗とかで働いたことありますか?」と続けて聞かれた。


ないと答えると、「うちでは基本的に必ずホテルには行ってもらいますから、そういうことに抵抗がない人がいいですね」と言われた。


その後、基本的な報酬に関してや勤務形態、仕事の依頼方法などいくつか説明をされたが、その業者で働くことはないなと思ったのであまりきちんと話を聞かなかった。


面接後にスケジュールの確認がきたが、予定があると断るとそれっきり連絡はなかった。




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