40歳の失恋26〜過去のトラウマ①〜

ここのところ、元気になってきていたのに、またずどーんと落ち込んできた。

彼にもフラれた。
また選ばれなかった。
ぐるぐる考えてしまう。
私の疑い深く、粘着質で執着が強いところが原因だろう。
普段の人間関係は軽めなのに、恋愛になると重くて、不安の塊となる。

すぐ、相手を疑ってしまう。重い女。
そうなったのには理由がある。

私は元々はお人好しで人を疑わない能天気な人間だった。
田舎もので、周囲も素朴な人しかおらず、人に意図的に騙された経験もなかった。
だから、人をすぐに信じるし、何でも個人的な事を言ってしまうところがあった。

それが、28歳の時に2歳年下の既婚者のAに独身と騙されて10ヶ月も付き合った事があった。
この体験は強烈で、そのせいで彼氏が出来ても信じ切れなくなってしまった。
もう騙されたくないのだ、絶対に。

今から思えば、週末に会えない、夜には電話に出ないなど疑わしい事はあった。
しかし、騙されてるといった発想さえなかった私は、土日は仕事だ、朝早くからの肉体労働で帰ったら即寝てしまう。と言ったAの言葉を完全に鵜呑みしていた。
もしかしたら、冷めてきている？と疑っても、Aが既婚者なんて発想はなかった。Aの浮気など疑った事は一度もなかった。

その時のAは週2で私の家に泊まりに来てうちから出勤していたし、Aの友達や職場仲間にも会っていた。Aの実家にも連れていかれ両親にも会っていた。
Aの両親も、なーーんにも言わずお茶を出してくれたのである。
今から思えば、その両親が何を思ってお茶を出してたのかすごく不思議だ。最近、ゲス川谷がベッキーを実家に連れて行ってたと聞いて、12年前の同じ体験が蘇ったものだった。

交際10ヶ月ほどしてAが、北海道に出張に行からしばらく会えなくなると私に言った。
私は翌日の夜に「Aくん気をつけて」と言うべく、Aの携帯に電話した。
なかなか電話に出ないが、コールを粘ったところ、電話に出たのは女性だった。

お互い「あんた誰？」状態である。

それは、Aの妻だったのである。
普段Aの妻は夫の携帯は触らないが、あまりにコールが長く、会社の人から明日の出張についての連絡かと思い電話に出たのだとゆう。

その時のわたしの絶望といったらなかった。
手がガクガク震えるって経験を始めてした。

その瞬間まで信じていて好きだった人が、私を騙していた。
妻も子どももいる？！
それはすごく強烈な体験だった。

28歳で付き合い、そのときは29歳で年齢的にもAが結婚を意識してくれていると信じていたのに。
しかも、妻は3ヶ月前に出産してたっていうのだ。

この時以降、Aからは謝罪も説明もなく音信普通となった。何も食べれなくなり、体重は8キロ減少。Aに対してはすぐに嫌いにもなれず、妻子がいるなんて信じられなかった。しかし、説明もなく音信普通にされたという現実があった。好きなのか憎いのか分からない状態になり生まれて初めて人を殺したいと思った。

私は、こんなボロボロになったのに、Aは無傷？
ありえなかった。

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