【モテの定理 第11回】プロファイリングをし、相手に合ったアプローチをすべし！

※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。また、男性向けに書かれた記事ですが、女性にも役立つ内容だと考え、このたび恋愛ユニバーシティにも載せる事にしました。

神奈川県某所にある謎に包まれた研究所の一室、モテモテ・ラボラトリー。ここでは「モテ」に関するあらゆる研究が行われており、ブレイクしたいタレントや、新商品をヒットさせたい企業、果ては支持率の回復を狙う政治家までが、助言を求めて日夜訪れる。

山田君　て～へんだて～へんだ！博士～～！て～へんだ！
ついについに！いい感じの出会いがきました〜！

博士　まあ、落ち着け。山田君。　取りあえず深呼吸だ。

山田君　すーはー、すーはー、すーーーはーーーって、て～へんなんですよ！！
女子に「今度ごはんでも一緒に行こうよ」って言われちゃったんです！

博士　ほう。

山田君　会社の事務の子で、宮崎あおいちゃんみたいな、ナチュラルでとーってもかわいい子です。プリンターの前で困ってたから助けてあげたら、それをきっかけに話すようになって。いやー、毎日、プリンターの取説を熟読していた甲斐がありました。（※1）
※1（第７回 オンナはオトコのココを見る！~サバイバルスキル編参照：https://u-rennai.jp/contents/column/665）

今は、仕事の話をしたり、彼女の趣味がカメラだって言うからその話をしたり、僕は延々話を聞いてるだけなんですけど。

博士　ふむ。

山田君　でも、彼女が「山田君は優しくてまっすぐでいいね。一緒にいると落ち着く」って❤休み時間にも僕のところに来てくれたりするんですよ~~！
そしてこの間、ついに「ごはん一緒に」発言が！！！僕、そんなことを若い女の子に言われたの初めてです！

博士　ほほう、それは良かったな。

山田君　そうなんです。本当に……感動です……。
だから博士！この際、食事に誘って、僕のこの思いのたけを彼女に伝えたいと思いまして！
どうしたらいいでしょう？やっぱり夜景の見える素敵なレストランに誘って、花束を渡して告白するのがいいんでしょうか？もしくは花火で「スキ」って打ち上げるとか……！

博士　ばかやろう！

それではせっかくの恋も花火と一緒に砕け散る可能性大だぞ！
焦ってはいけない。本格的なアプローチに入る前に、まず、しておかないといけないことがあるんだ。

山田君　？？？なんでしょう？

博士　プロファイリングだ。
彼女の外見、持ち物、趣味、喋り方などから、彼女がどういうタイプの女性か推測する。これがアプローチの第一歩だ。

山田君　プロファイリング！？刑事ドラマみたいでかっこいい！
でも、なんのためにそんなことをするんですか？

博士　恋愛も、ポーカーも、麻雀も、将棋も、営業も、駆け引きはみな同じなんだが、本当のプロフェッショナルは、相手がどんな人物か見極めてから、アプローチの仕方を決める。相手によって、駆け引きの仕方が変わってくるからだ。

世の中には数多くのモテ技がある。しかし、それが効くかどうかは、相手のタイプによって変わるんだ。
君がさっき言った、夜景の見えるレストランで花束とか、サプライズで告白なんていう手法が通じるかどうかも、相手による。

山田君　通じない人もいるんですか！僕はてっきり、女の子はそうすればみんな喜ぶと思ってました。

博士　多くの人はそう思っている。多くの人は、自分が一度うまくいった方法を何も考えずに繰り返すだけだ。モテに関して本を書いているような人間でさえ、うまくいく方法は一つしかないと思っているんだよ。

基本的に人は、一度うまくいった方法以外の方法をしようと思わない。一度うまくいった方法が、ある女性でうまくいかなかった場合、その女性は諦め、別の女性に試す。結果、うまくいく女性だけをターゲットにしていく。自分の方法で落とせる女性がいる限り、一度うまくいった方法を、自分にとって唯一で最高のモテる方法と信じてしまうんだ。

でも本当は違う。ある女性にはうまくいく方法が、別の女性を引かせてしまう。落とし方は女性によって変わるんだよ。

ちなみに、彼女の服装やメイクはどんな感じだ？

山田君　とってもナチュラルです。メイクはしてるかしてないかわからないくらいで、それでも超かわいいんですけど。私服も地味で、無印良品とかで売ってそうな感じですね。彼女は「着心地がいいのが一番だよね」って言ってました。

博士　なるほど。携帯電話はどんなものを使ってる？機種とか、ストラップとか。

山田君　う～ん、確かスマートフォンですよ（※この記事は2011年に書かれたものです）。ストラップはつけてなくて、革っぽい素材のすごくシンプルなカバーをつけてたと思います。

博士　ほう。ちなみに、彼女がよく見るテレビは？

山田君　テレ東好きって言ってました。和風総本家、毎週見てるらしいです。あとはBSのネイチャー番組とか、よく見るみたいですね。逆に、月9とかには興味ないって。

博士　では、彼女は例えば、上司がちょっと手を動かして周りをしてきょろきょろしたら、「あ、ペンですか、どうぞ」って差し出すようなタイプじゃないか？

山田君　え？あ、何で分かるんですか？？
彼女、今日、部長がきょろきょろして歩いている時、喫煙室ですか？と聞いてました。

博士　彼女は察する能力が高いタイプだな。

山田君　察する能力が高い……？

博士　いや、何も言うな。今日は文字数が限られているからボケなくていい。

世の中には、察する能力の高い人と低い人がいる。
察する能力が高い人というのは、物事をありのままに受け入れず、つねに裏側を勘ぐる。逆に、察する能力が低い人は、物事をありのままに受け入れて、深く考えない人だ。

察する能力の低い人には、いわゆるモテ技、小手先のテクニックがよく効く。例えば、デートの時に男が車道側を歩いたり、レストランで彼女を奥の席に座らせるだけで、「レディファーストで素敵」と思ってくれる。
しかし、察する能力の高い人は同じことをされると、「女慣れしてそうで嫌味」「マニュアル人間でうざい」と感じたりするんだよ。だから、察する能力の高い人には、小手先のテクニックは効かない。むしろ逆効果と言って良いくらいだ。
こういう風に、相手の察する能力の高低によって、アプローチは変わってくるんだよ。君の気になってる彼女は、察する能力の高いタイプのようだから、夜景の見えるレストランや花火なんてベタなアプローチはNGだな。軽く「バカなのね」と思われるだけだ。

山田君　深いですね……。でも、どうして彼女が察する能力が高いタイプだってわかったんですか。

博士　察する能力が高い人は、常に物事の裏側を勘ぐっている。だから、人の行動をよく見ているし、世間の流行に懐疑的なことが多い。
君の話を聞いた限り、彼女は人のことをよく見ているようだし、外見や持ち物がいわゆる若い女の子のメジャーな流れからは外れていると感じたからね。
つけまつげをつけたり、携帯をキラキラにデコったりという流行には、乗りたくないと思っていそうだ。彼女はカメラが好きだそうだが、最近カメラ女子も流行ってきてるから、あまりにメジャーな趣味になると、彼女はカメラをやめてしまうかもしれないね。

山田君　そういうものなんですか。天邪鬼なんですね。じゃあ、彼女にはどんなアプローチをすればいいんでしょう？

博士　その前に、もうひとつプロファイリングしておいた方がいいことがある。
彼女が恋愛至上主義か、そうでないかだ。女性の中には、恋愛に何より大きなウエイトを置いている人と、そうでない人がいる。
前者は、男受けのする女性らしいファッションをしているはずで、恋愛の話をしょっちゅうしている。服装やメイクで言うと、女子アナやお天気お姉さん、大衆向けファッション誌の読者モデルみたいな恰好をしてる人たちだな。
対して、後者はそういうところがない。パンツスタイルだったり、カジュアルなメイク、服装をしている。恋愛の話もあまりしない。彼女は服装を考えるに後者だろうな。

山田君　そうですね。あと、好きな雑誌は「ダ・ヴィンチ」だって言ってました。

博士　それはもう間違いない。非恋愛至上主義だな。良かったな、山田君。

山田君　何が良かったんですか？

博士　恋愛至上主義の女性は、相手の見た目にこだわることが多いんだよ。だから、君のように外見がイマイチだと、それだけで難しい。でも、恋愛至上主義じゃない女性は、相手の外見より自分を理解してくれるか、不誠実な男でないかにこだわる。だから君にもチャンスがある。

山田君　助かったー！でも、そんな察する能力が高くて恋愛至上主義じゃない彼女に、どうやってアプローチしたらいいんですか？

博士　彼女は小手先のテクニックやベタな言葉に対しては、裏を読む。親切にされれば下心を疑うし、「カワイイね」と言われれば「この人、私の外見しか見てないんだわ」と思うだろう。しかも、察する能力が高い人は、自分の気持ちを表に出さない。相手に合わせて感じよく対応しながら、心の中で「単純なオトコ」と幻滅してるんだ。

山田君　僕、「君のかわいさに夢中です」って言おうかと思って準備してたんですが、言わなくてよかったんですね。

博士　命拾いしたな。
察する能力が高い人を落としたいなら、徹底して彼女の心に響くような男を演じることだ。小手先のテクニックじゃなく、そういう人間になりきって行動する。
彼女は君のことを「優しくて、まっすぐでいい」と言っているわけだから、君の今のキャラクターを気に入ってるんだろう。そして、非恋愛至上主義の彼女は、「カワイイ」と言ってくれる相手よりは、自分の内面を理解してくれる相手を求めている。
だから、君は「彼女の外見ではなく内面やセンスに惹かれている、優しくてまっすぐな男」を演じるんだ。

山田君　カッコいい！でも、そんなことできますかね。

博士　以前教えただろ。ブランディングをするんだよ。（※2）自分が演じるキャラクターをメモに書いて、財布や手帳に入れておくといい。そして、彼女と会う前には必ずそれを見る。会っている最中も、トイレに立った時などに確認してもいい。そうやって、自分のキャラクターを確認して、なりきって行動するんだ。彼女の人格を尊敬していればここで何と言うか、センスを素晴らしいと思っていたらどうほめるか、そのメモがすべての行動指針になるんだ。
これを続けていけば、彼女は君のことを「自分の中身を見てくれる人」と信用し、より惹かれていくだろう。
（※２第3回 何の取り柄もない人が魅力を作るには？参照：https://u-rennai.jp/contents/column/656）

山田君　よし、任せてください。明日から「まっすぐな男　山田版」の始まりですよ！！

ぐっどうぃる博士の解説

恋愛シーンだけでなく、例えば上司、取引先、顧客など、誰かにアプローチしたいときにはプロファイリングを元に行動指針を立てることで、成功率がぐっと高まります。
相手の察する能力の高低を見抜くには、最近ならツイッターやSNSも重要なヒントになるでしょう。
例えば、なでしこジャパンがワールドカップで勝ち上がってきた途端（※この記事は2011年に書かれたものです）、これまで女子サッカーに興味がなかったのに「日本中が感動したよね！」「日本はもっと女子サッカーに力を入れなきゃ」といったつぶやきをする人。こういう人は、僕の考える「察する能力が低い人」です。世の中にスポーツに興味がない人もいることや、スポーツにおけるお金の流れを自分が知らないことを考えずに、気持ちに任せて発信できてしまう。こういう人には、いわゆる小手先のテクニックがよく効きます。モノを贈ったりお世辞を言ったり、「あなたのためにここまでします」という態度が素直に喜ばれます。
その一方で、タイムラインを騒がせている話題に対して、懐疑的なコメントをする、もしくはまったく触れない、そういうタイプの人は、察する能力の高いタイプです。こういう人には、小手先のテクニックは効きません。相手に共感してもらえる人間を演じること重要になるでしょう。
参加しているコミュニティや聴いている音楽、リツイートやイイネの傾向など、ヒントはいっぱいです。ぜひ、プロファイリングに役立ててみてください。