【モテの定理 第10回】奇跡のような出会いを作る「ランダムウォーク戦略」

【モテの定理 第10回】奇跡のような出会いを作る「ランダムウォーク戦略」



登場人物

渕上賢太郎(ふちがみ・けんたろう)博士
モテモテ・アカデミー主宰。数学、生命科学、行動経済学の博士号を持つ。どんな人、モノでも「モテ」てしまう定理をついに発見した。専門分野の知識を自在に応用し、「モテ」を論理的に読み解いていく。

山田君
彼女いない歴=年齢のモテない32歳。何とかしてモテ男になりたいと博士に泣きついてきた。これまで9の定理を教えられ、ようやくその成果が現れ始めた様子。

※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。また、男性向けに書かれた記事ですが、女性にも役立つ内容だと考え、このたび恋愛ユニバーシティにも載せる事にしました。


神奈川県某所にある謎に包まれた研究所の一室、モテモテ・ラボラトリー。ここでは「モテ」に関するあらゆる研究が行われており、ブレイクしたいタレントや、新商品をヒットさせたい企業、果ては支持率の回復を狙う政治家までが、助言を求めて日夜訪れる。

博士 最近調子はどうだ、山田君?

山田君 いやーようやく光が見えてきましたよ!
この間お話した臼田あさみちゃん似の会社の子とは、ホモフィリー(※1)のアプローチで少しずつ仲良くなってます。その上、僕のレコメンダー(※2)である居酒屋のマスターに紹介してもらった子とも、イイ感じなんですよ~。
※1共感を介した人間関係(第9回参照:https://u-rennai.jp/contents/column/670
※2自分を相性の良さそうな人におススメしてくれる人(第6回参照:https://u-rennai.jp/contents/column/663

博士 そうか。ようやく、第一歩を踏み出したようだな。

山田君 おかげで、結構忙しいんですよ。今度、友達に珍しく、女の子がたくさん参加するパーティーに誘われたんですけど、2人のこともあるし、断っちゃおうと思って。えへへ。モテる男も大変ですね。

博士 山田君、一つ重要なことを教えよう。
君はまだ、2人の女の子と何度か日常会話をしただけだ。それは、一般の世界では、モテるとはいわないんだ。

山田君 え?そうなんですか?
 女性と日常会話をしているのは、モテるといわないのか。アブなかった。あやうく騙されるところでした。

でも、パーティーのような場は僕には不向きだから参加しません(※3)。
※3「恋活=合コン」「婚活=婚活パーティ」では結果はでない。(第2回参照:https://u-rennai.jp/contents/column/653

博士 いや、そのパーティには参加するんだ。
ここで君に新しい戦略を授けよう。これは、モテを本当に分かっている、ごく一部の人間しか用いない戦略だ。

山田君 ???な、なんですか?

博士 例えば、君が友達に誘われたパーティーに行ったとする。そこにたまたま君の理想の佐々木希ちゃんみたいな子がいて、たまたま彼女の宝物だったクマのぬいぐるみにそっくりだという理由で、君に一目ぼれするかもしれない。そしたら、君は何もしなくても佐々木希ちゃん級のかわいい彼女をゲットすることになる。

山田君 うぉぉ~、そうしたら、全然努力しなくても、モテちゃうじゃないですか!!最高ですね!!! そんなおいしいことありえるんすか!

博士 ほとんどない。

山田君 ないんかい!

博士 でも、可能性はゼロではない。世の中にはとんでもない偶然というものがあるんだ。
他にも、君がたまたまいつもと違う道を通って帰ったとする。そして、たまたま入ったバーに、なぜかけん玉が好きな若い女性が集っているかもしれない。そうすれば君はそこでヒーローになれる。(※4)
※4 山田君の特技はけん玉

山田君 う~ん、あり得ますかねえ、そんなこと。

博士 もちろん可能性は低い。しかし、この世界では、我々の予想を超えたところで、時々何かが起こる、というのは確かだ。
このように、人に誘われた、なんとなくいつもと違うことをしてみたなど、ランダムな行動で、どこに潜んでいるかわからない成功の種を引き寄せることを、私はランダムウォーク戦略と名づけている。

山田君 ランダムウォーク?ポゥ!みたいな感じですか?

博士 へたくそなムーンウォークの真似はやめたまえ。前に進んでるじゃないか。
ランダムウォークとはもともと、物理学・数学などの分野の言葉で、法則性のないでたらめな動きを表すものだが、私が言いたいのは、物事のセオリーや計画的な戦略を超えたランダムな行動を、人生の中にいくらかの割合で取り入れろ、ということだ。

【モテの定理 第10回】奇跡のような出会いを作る「ランダムウォーク戦略」


山田君 でも、それで成功する人が本当にいるんですか?

博士 もちろんいる。
むしろ、世の中の成功は、でたらめにやったことや意図しない失敗から生まれていることの方が多いと言って良いくらいだ。

例えば、炭酸飲料の代表ともいえるコカ・コーラも、ジーンズのリーバイスも、偶然から生まれている。彼らは例の炭酸飲料水を世に売りだそうとは思っていなかったし、あの藍色(あいいろ)の生地でズボンを作ろうとも思っていなかった。なんとなく、たまたまやっていて成功したんだ!

山田君 へえ~、知りませんでした。

博士 他にも、例えば2002年にノーベル賞を受賞した田中耕一さん。配合を間違えた実験試薬を試しに使ってみたことが、ノーベル賞のきっかけになった。
ランダムウォークによる成功の例をあげればきりがない。
モテもこれと同じで、例えば、日本では全くモテないのに、外国に行ったらめちゃくちゃモテ始めた、なんて女性が僕の知り合いにいる。でも、それは日本にいて普通に生活していたら一生わからない。結婚式に呼ばれれば、時々あり得ないほどの運命的な出会いを耳にするはずだ。

山田君 なるほど~じゃあもうランダムウォークだけでいいじゃないですか。
僕、明日からもう、まっすぐなんて歩きません!ふらふらランダムに生きていきます!

博士 ばかやろう!
そんなことをしたら、モテる前に人生が終わってしまうぞ!

ランダムウォークは大成功を導く可能性もあるが、たいてい無駄に終わる。これにすべてをかけるのは、宝くじの当選金で生活していこうとするようなものだ。
安定した仕事で稼いだお金のいくらか、それも生活を脅かさない程度の金額で宝くじを買う、それがランダムウォーク戦略のイメージだな。
つまり、理論的なモテ戦略にランダムウォークを1~2割混ぜるんだ。

山田君 これまで学んだことを実行しながら、人の誘いには乗ったり、ちょっと変わったことをするといいってことなんですね。でもやっぱり忙しいなあ。

博士 その通り!ランダムウォークが実践できれば、もう「モテ」における死角なしと言えるだろう。君は忙しい忙しいと言いつつ、相変わらずぽっちゃりしているのだから、ダイエットも兼ねて必死で頑張りたまえ。


今回の定理

論理的な戦略に1~2割のランダムウォークをプラスせよ


ぐっどうぃる博士の解説

僕の考えるランダムウォーク戦略の最初のヒントになったのは、デイル•ドーテン著の書籍『仕事は楽しいかね?』です。この本を最初に読んだのはもうずっと昔ですが、衝撃的でした。世の中の成功哲学のほとんどは、まず目的を明確にし、その目的にもっとも効率的にたどり着くことを良しとしていますが、この本は、「すべての成功者が、効率よく計画的に目的にたどり着いているわけではない。むしろ、そうでない成功者の方が多いくらいだ」と主張しています。この本では、目的をもたず、新しいことをし続けることが成功への鍵だと解いているのです。

さて、成功している人や企業の多くは、実際に、意識的・無意識的にランダムウォークを取り入れています。
例えば、SNSの草分けmixiの運営会社は、もともとは求人サイトの運営をしていた会社でした。しかし、社内の一部の人間が当時海外で人気が出始めていたSNSに注目、ひっそりとmixiの企画を立てて始めてみたら大当たりした、というパターンなのです(※この記事は2011年に書かれたものです。そんなmixiは今では予想外のオンラインゲームで成功しています)。
ユニクロが野菜の販売に挑戦してみたり、有名デザイナーとのコラボラインを作ってみたりと、メイン事業から外れる企画を打ち出すのも、ランダムウォーク的なアプローチでしょう。本業を脅かさない程度の投資で、次の大ヒットを探しているのです。

逆に、こういったことをせず、一つの成功パターンに固執してしまうと、必ず衰退してしまいます。一つのヒットを作って、そのヒットにしがみついているうちに、あるいは何も新しい試みをしないうちに、ライバル企業が現れたり、世の中のニーズが変わってしまったりするのです。たとえ、ユニクロが野菜の販売に失敗したとしても、そのランダムウォークを止めてはいけないのです。

ランダムウォークは、「大ホームランにつながる可能性がある」「それまでの戦略が使えなくなったときに新しい種になりうる」という二つの利点のために、ぜひ心がけてほしいことです。

もちろん、渕上博士も言っている通り、ランダムウォークはたいていの場合何も生み出さず無駄になります。ベンチャー企業は、当たるかどうか分からないのに、試みていることから、企業そのものがランダムウォークといえます。ランダムウォークが当たることはまれなので、多くのベンチャー企業が5年程度で消えていきます。
もし、本当に成功したいなら、命がけでランダムウォークをしてはいけません。たとえベンチャー企業で、今している事業が当たると確信していても、一つの事業だけに命がけにならず、複数の事業でランダムウォークをして、当たる可能性を高めるべきなのです。ベンチャーキャピタルはそのような投資をしている。それが賢い正攻法でしょう。

人生でランダムウォークをするなら、せいぜい1~2割をこれに割く、くらいの気持ちでいてください。

ちなみに、世の中が変わることでもランダムウォークは起こります。たとえば、冷戦後、米ソが核戦争を縮小に向かわせたことで物理学者があぶれて、ウォール街に流れ込み、クオンツという金融工学のプロ集団をつくりました。今回の震災、長引く不景気は、確実に新しい試み、すなわちランダムウォークな状況を作っています。このことは10年後に思いがけない成功を日本にいくつかもたらすだろうと僕は予想しています。

僕自身、もともとは生命科学の博士研究員でしたが、ランダムウォークの結果作家になり、一定の成功をし、ここで連載をさせていただいています。こんな仕事をしているなんて、その仕事をする1年前は全く想像していませんでした。それこそがランダムウォーク戦略の醍醐味です。

ぐっどうぃる博士

ぐっどうぃる博士 (恋愛カウンセラー)

理学博士(生命科学専攻)。現在は主に恋愛カウンセラーとして活躍。自身の体験と生命科学的視点を合わせた独自の恋愛メソッドを展開し人気を集めている。悩める女性の恋の問題が解決するサイト『恋愛ユニバーシティ』主宰。
現在、WEB、書籍、雑誌等など多方面で活躍中。また大手企業のマーケティングリサーチや企業のブランディング戦略にも参画。
近著に『振り向いてくれない彼に1ミリも迫らないで恋に落とす本』がある。
他にも『モテの定理』『恋愛マトリックス』(ソフトバンククリエイティブ)、『恋で泣かない女になる61のルール』(講談社)などがある。
ぐっどうぃる博士の経歴はこちら

ぐっどうぃる博士と直接電話相談したい方はコチラ:
https://u-rennai.jp/consult/adviser/2

片思いの悩みを解決する方法のまとめ

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