アラフォーの婚活97　～水族館デート～

前の彼と正式に別れてからもうすぐ1年になります。
会わなくなったのは7月末からだけど、別れたのは8月末だったので。
1年前から、沈黙明けした4月まではとにかく長かったのですが、後半半年の早かった事。
あぁ・・・もう一年かって感じです。
半年の沈黙の長さに恐怖していましたが、冷静になれば半年って早いね。
怖いほど早いよ。
彼はどうしてるだろう。

もう新しい人がいたりするのかな。

私は、こんなに必死で相手を探してもいまだ見つからない。
でも、42歳でバツイチの彼には、もう新しい人がいるような気がするのは何故だろう。
そんなモテる人でもないはずだよ。

さて、いろいろ書く事たまってる気はするけど。
相席居酒屋の事も、年収1000万の人との見合いもまだ書いてないし。
でも、今日は、年収３３０万円の人と水族館に行った話しを書こうと思います。

相手の方から、某水族館に誘われたので応じることにした。
相手は相談所でお見合いした人だ。
駅で待ち合わせた男性は、お見合い時よりもなんか老けて見えた。
その理由は、服装が中学生みたいだったから。

なんか、夏がそうさせるのかな。
シャツとひざ丈のパンツがなんか中学生ぽい。
持ってる鞄もはいてるスニーカーも。
それなのに、顔はしわが深いからアンバランス。

この方は、話しをする時に目をカッと見開くのだ。
それが、ホラー漫画みたいな目でなんか怖い。

水族館に行く前に、お昼ご飯を食べようと隣接する飲食店街に行った。
私が｢どこに、いきましょうか？｣と尋ねると
男性は「僕は、この場所は初めてなんで分からないんです。」と答えた。
私だって初めてだ。
私は「じゃあ、地図でも見ましょう。」と、案内板を探して、それを見ながら決めることにした。

私「何か食べたいものはあります？」
男性「何でもいいです。」

お昼時、日曜日、夏休みどこの店も長蛇の列だった。
店を探して歩く時、男性は無言で私の後をついてくる感じ。なんか嫌だった。

比較的空いてたカレー屋に入ることにした。

この男性、とにかく食べるのが早い。
全くの無言で、カレーが届くと５分くらいで飲むように食べ終わってしまった。
思わず「食べるの、早いですね。」と声をかけた。
男性は「よく言われます。」と答えた。
男性の汗がものすごいのだが、拭くものがないのかポタポタと汗が落ちていく。

私も、なんだか慌てて食べた。
食べ終わると間髪いれずに、男性に「行きますか。」と言われた。

この男性は、動きも話し方もすごくぎこちなくて、なんだか落ち着かなかった。

水族館につくと、チケット売り場は、はやり長蛇の列。
「これは２０分くらい並ぶかもしれませんねぇ。暑いけど頑張りますか。」と私が言うと

男性が「あ、わたしチケット買ってきたんです。安いのがあったから。」と言うではないか。
ああ、前売り券を買ってきてくれたんだと思って、「ありがとうございます！」と答えた。



「あ…１枚しかないんです。」と男性。



え・・・・・


耳を疑った。


男性「あ、２枚買っておけば良かったでしょうか。途中の売店で安く売ってたものですから。」

私「あ、いえ、そんな。じゃあどこか涼しいところで待っていてください。私、今から並びますので。」

男性「いえ、一緒に並びます。」

私「いやいや、暑いですし。ほら、案内の人も混雑してるからお連れさんは外で待ってくださいってアナウンスしてるし。」

男性「いえ、せっかく一緒に来たんですから。」

なんなんだよ、せっかく一緒に来たんだからって。
結局、一緒に並ぶことになり、男性はまたずーーーと無言で私の後ろに立っていた。
無言ならいない方が良かった。

私、チケット購入。

水族館の中でも男性はずっと後ろをついてくる。
小さい子どもが母親について歩くように。

私「わーーーー、綺麗な色の魚ですね。」
男性「綺麗な色の魚ですね。」

私「ラッコ、かわいいなぁ、あ、くるっとまわりましたね。」
男性「かわいい、まわりましたね。」

私「巨大水槽だと、なんか空のように見えますね。エイとか飛行機が飛んでるみたい。」
男性「空のようですね、飛行機見たいですね。」

私「ふぐって正面からみたら不細工だなぁ、おもしろいですね。」
男性「不細工かぁ。」


・・・・・・・・・・・・・。
会話が全部オウム返し。
話しが広がらない、つまらん、全くもってつまらん。
オウム返しか、「そうですね。」しかないのだ。
もう、苦痛で苦痛で仕方なかった。

水族館のお土産コーナーでも、私が水族館のグッズを見ているとずっと後ろをついてくる。
「〇さんの好きなの見てきてください。」と声をかけたが
男性は土産物は見ずにずっと私の後ろを逸れないようについてきた。


水族館を出ると男性が「そこの観覧車に乗りませんか。」と言ってきたが
あんな狭い空間で二人きりとか勘弁してしてくれよと思い、喉が乾くのでカフェに誘った。

男性「そうですね、たくさんお話ししたい事もあるので、カフェにしましょう。」

カフェはセルフサービスだった。
お店は混雑していた。
「私が席を取っとくので、私はカフェオレで。」と男性に注文をお願いした。

しばらくして並んでいた男性が戻ってきた。
「あの、SサイズかＬサイズかどちらでしょうか。」

また、あの長蛇の列を並び直すのか。
そして、サイズを聞きに来たという事は、おごりではないなと思った。

「Mサイズはないのですか？」と聞くと、彼はまたカウンターに見に行き、戻ってきてMはないということだった。
喉が渇いていたので、Lサイズをお願いした。

私「ありがとうございます、おいくらでした？」

男性「４０８円です。」


え・・・・・・・・・マジ？？

・・・・・４０８円って！！！！！

８円って！！！！！！

１円単位で割り勘とか、大学時代ぶりなんだけど！！！！！！（汗）
いや、男の人に言われたのは記憶にないわ。

私「あーーーーーーーーーー・・・・ごめんなさい。
小銭が足りないや。４０５円しかないや・・・・。」

男性「いや、全然いいですよ。それくらい。構いませんよ。」
と、４０５円受け取った。


男性は、すごく深刻な顔をして、眉間にものすごい深いしわを寄せて
無言でアイスコーヒーを飲んでいる。
思いつめたような深い眉間のしわ。
そしてずっと下を見ていた。

たくさん話したい事があると言ってたのになと思ったが、まぁいいやと思った。
お互いずっと無言。

私は出ましょうと声をかけた。

男性はずっと帰り道も後ろをついてきた。
やはり母に連れられる子ども。

駅までの道で男性は言った。
「まだ、僕たちは慣れてなくて話しができませんでしたが、これが僕たちの課題です。
もっと話しをはずませないと、でもまだお互い慣れてないですから。」

私は「〇さんは、人見知りですか？」と聞いた。
男性は「そんなことはありません。まだ、お互い会って間がないからです。」と答えた。

男性「あの、わたしの感想です。今日、久しぶりにお会いして、平らさんを後ろから抱き締めたいと思うくらい
美しかったです。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

私「・・・・・・・・・・・・・・いえ、10人並みですよ。」

そんな美しいと思わせる女性は一円単位で割り勘されないだろう。



変わった人だ。



家に帰ってどっと疲れた。
一年前に別れた彼とのもっとスマートなデートを思って泣けてきた。